【畑野理之の理論】「亀新」か「新亀」か…2人のフィーバーまだ終わらない

[ 2021年2月13日 08:00 ]

阪神紅白戦を観戦しながら亀山つとむ氏(左)と言葉を交わす新庄剛志氏
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 バックネット裏で、本紙評論家の亀山つとむさんと並んで紅白戦を見ていたら、新庄剛志さんが近づいてきたのでサッと席を譲って、一段後ろへ移動した。予想どおり亀山さんの横に座ると、およそ5年ぶりの再会だというのに久しぶり感などまったくなくいきなり野球談議がスタート。いつも思うが、本当に不思議な関係だ。

 「ホント、ずっと亀山さんとつるんでましたもんね」

 「俺が、新庄の独特の“周波数”に合わせてるからね」

 ご存じ1992年の「亀新フィーバー」。前年まで実績ゼロでまったくの無名だった2人が、世代交代の象徴として低迷期のタイガースをAクラスの2位まで押し上げた。そして、この日も始まったのが「亀新コンビ」なのか、「新亀コンビ」なのかのマウントの取り合いだ。2年後輩の新庄さんは、いまだに納得できない…というネタなんだろう。

 ゲーム中、2人の後ろで聞いていて興味深いやりとりがあった。TBS系スポーツ番組「S☆1」の取材で来訪しているため詳細は遠慮しないといけないが、少しだけお許しを。新庄さんが白組の中堅を守っていた井上について、投手が投げた時も両膝に手をついたまま固まっているのを指摘して「あれじゃあ絶対に右中間へのフライは追いつけませんよね」…。白組の1番右翼で出場していた佐藤輝の打席では「逆方向に飛距離は出そう。メジャーリーガーのスイングみたい」…。いずれも横で亀山さんがうなずいていた。

 くしくも同じ中堅と右翼を守っていた今年ブレークしそうな2人が気になった様子。前年から若返ったチーム事情も当時と似ているといえばこじつけか。リストバンドの色が白、黒、黄ばかりで、目立つ赤にすればいいというアドバイスには独特のプロフェッショナル感だと思ったが、亀山さんは理解を示す。若い頃、強肩の新庄さんはキャッチボールですぐにダーッと離れて距離をとるなどアピール名人だったとし、それもある意味プロだと認めていた。

 佐藤輝明(てるあき)と井上広大(こうた)なので、「輝広=てるこう」コンビ?? これは却下かな。まあ呼び名は何でもいいか。29年前を超えるフィーバーが巻き起これば、ファンがカッコいいのを付けてくれるでしょう。 (専門委員)

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