エンゼルス・大谷 試行錯誤の一発!「すり足」で22打席ぶり5号3ラン

[ 2020年8月25日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4―5アスレチックス ( 2020年8月23日    オークランド )

<アスレチックス・エンゼルス>3回、5号3ランを放つ大谷(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が23日(日本時間24日)、アスレチックス戦で22打席ぶりの安打となる5号3ランを放つなど2安打3打点。前日から右足を上げる打ち方「レッグキック」を試したが、右足を上げない「トータップ」に戻した打席で快音を響かせた。日米自己ワーストの21打席連続無安打と苦しんだが、試行錯誤を重ねて不振脱却を目指している。(笹田幸嗣通信員)

 捉えたはずの球を仕留めきれない。大谷は結果が出ない日々を振り返り、不振の原因を「(ボールとの)距離感とタイミングがズレていた」と明かした。

 「ズレ」をなくすために右足の使い方を模索し、自ら「レッグキック」「トータップ」と表現した。レッグキックは足を上げることで春季キャンプで取り組み、コーチ陣の助言を受けて前日も試していた。トータップは従来のノーステップ気味の打ち方。この日は1打席目の初球だけトータップ、2球目からレッグキックにした。空振り三振で連続打席無安打は自己ワーストの21に伸びたが、2打席目に結果を出した。

 0―2の3回1死二、三塁。トータップに戻すと、右腕モンタスの95マイル(約153キロ)直球を捉え、左中間に10試合ぶりの一発を叩き込んだ。メジャー通算45号は井口資仁(現ロッテ監督)を超え日本選手単独4位。今季自己最速の打球速度113マイル(約179キロ)、同最長の飛距離439フィート(約134メートル)を計測した特大3ランに「強振したつもりはなかったけど、しっかりと距離は出ていた。次以降につながる打席だった」。7回にも右前打を放った。

 レッグキックとトータップ。今後も臨機応援に臨むという。一方に偏ると「感覚に慣れてきてしまう」と感じており「常に新鮮な状態でいけるようにしたい。両方やりながら、良い位置を保ちながらやれれば」と語った。

 打てない間には、ジョー・マドン監督から直接指導を受けることもあった。「打ちたい気持ちが先行していた。打たないと申し訳ない。そういう気持ちは1、2年目よりも強い」。メジャー移籍後、最も険しい壁を乗り越えた。右肘の故障により打者に専念する3年目。まだ巻き返す時間は残っている。

 ≪高校&日本ハム時代はレッグキック≫大谷は花巻東、日本ハム時代からレッグキックを採用。だが、メジャー1年目のオープン戦で極度の不振に陥り、開幕直前にトータップに変えた。これが功を奏し、開幕直後に3試合連発など大活躍し週間MVPを受賞。シーズンでは日本の新人選手最多22本塁打を放ち、新人王に輝いた。翌19年は基本的にトータップ。今春キャンプやオープン戦で再びレッグキックを試したが、タイミングが合わず、すぐに取りやめていた。

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