阪神・西勇のスパイクの“秘密”特許出願 ソール内傾斜で体重移動スムーズに

[ 2020年8月25日 05:30 ]

従来のスパイク(奥)と異なり埋め込み式のスパイクとなった西勇輝の新スパイク(手前) (撮影・後藤 大輝)
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 阪神・西勇輝投手(29)が今季から新調したスパイクが、アドバイザリースタッフ契約を結ぶSSK社から特許庁に特許出願されたことが分かった。開幕投手を務めるなど10試合で4勝3敗、防御率2・30で投手陣をけん引してきた猛虎加入2年目の“相棒”。厳しい夏場も軽快に乗り切るつもりだ。

 出願されたのは、両足のソール内側部分にある樹脂製の「傾斜」だ。西勇は投球の際、プレートの一塁側の一番端に右足をかける。右足を本塁方向に蹴り出す際、スパイク内側の傾斜がマウンドの角度に沿うように取り付けられているため、土との接触感がなくなり、スムーズな体重移動が可能になった。

 同社の担当者も「他のピッチャーなら気にしない感覚かもしれない」と説明するように、ミリ単位とも言えるこだわり。精密機械と称される男の生命線であることも間違いない。

 球界で主流の埋め込み型ソールは軽量という利点を持つ一方、歯1本ごとに付いている土台が蹴り出す時に土に当たる感覚があったという。そこでオリックス時代から昨季まではリベットと呼ばれる金属で止めたソールを使用。ただし、リベット止めでは、複数の歯が一体となっているため底からの「突き上げ感」が強かった。

 昨季終了後から「突き上げ感」の改善を図るためSSK社と意見交換し、新スパイクの作製に着手。24グラムの軽量化にも成功し、開幕前の練習試合から使用している。

 無事に特許を取得できれば、SSK社は独自の名称を付けて一般用としての発売も検討中。担当者は「西選手と同じ感覚の人がいるかもしれない。アマチュア選手にもパフォーマンス向上につながれば」と期待した。(遠藤 礼)
 

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2020年8月25日のニュース