阪神・横田には誰もが愛着「また遊びに来たんですか」…これが最後の原稿になると思うと寂しい

[ 2019年9月27日 08:05 ]

引退セレモニーで胴上げされる横田(撮影・坂田 高浩)
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 【記者フリートーク】今思えば、これという「きっかけ」があったわけではない。他の選手の対応を見て「あっ、この人はイジッても大丈夫」と判断したのだろう。気づけば、横田から「また遊びに来たんですか」と冷やかされるようになった。

 1年目のオフ、初めて2人で食事に行った時のことが忘れられない。焼肉店で最初に頼んだ「タン塩」をひたすら食べ続け、10人前以上を1人で平らげた。「すいません、もう1回タン頼んでいいですか」というやり取りが3回以上続いたと記憶している。

 接した人が強い愛着を持ってしまう選手。16年に開幕スタメンを奪取し2戦目でプロ初ヒットの原稿を書いた時は感無量だった。当時20歳のサクセスロードを目の当たりにして、記者として大きな夢を見させてもらった。

 闘病後も鳴尾浜で会えば、どんな時も笑顔で前向きな言葉を発してくれたが、今になって分かった視力の問題による当時の苦境を思えば、胸が締めつけられる。僕の質問に嘘をつかなければいけない時も絶対にあったはずだから…。

 これが「横田慎太郎」を書く最後の原稿になると思うと、とにかく寂しい。言いたいことはたくさんあるけど、また「タン塩」をたくさん焼いてあげ、感謝の言葉を伝えたい。(阪神担当・遠藤 礼)

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2019年9月27日のニュース