オリックス榊原、球団育成初の1勝 ウイニングボールは「入院している父に」

[ 2019年4月18日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス6―4日本ハム ( 2019年4月17日    京セラD )

初勝利を挙げた榊原(撮影・奥 調)
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 ピンチを抑えるたびに、オリックス・榊原はマウンドで雄たけびを上げた。初回は2死満塁で渡辺を空振り三振。5回も2死満塁で中田を右飛に打ち取り、グラブを叩いて叫んだ。6回には打球が体に当たったが、マウンドは譲らない。魂の107球で6回1失点。昨年から数えて6度目の先発マウンドで、ようやくプロ初勝利を挙げ「3年目なので、ちょっと掛かりました」と照れ笑いした。

 小4で父の和夫さんが脳梗塞で倒れてから、叔父夫婦に育てられた。野球を始める前のことだ。それでもプロを夢見て、弱音は吐かなかった。入団2年目を迎えた昨年は開幕直前に支配下選手登録。一歩ずつコツコツと進んだ野球人生で、大きな転機はデビュー戦となった4月1日のソフトバンク戦。1死も奪えず5失点した。

 「野球をしてきて一番悔しかった。あの試合は忘れません」

 父は今も話すことができない。だが、自分が会いに行けば笑顔になってくれる。今年も1月1日にお見舞いに行き、余計に早く勝ちたいと思った。「とにかく元気な姿を見せたかった」。プロ初勝利の涙はグッとこらえ「ボールは入院している父に」としみじみ語った。

 育成ドラフト出身で勝利を挙げたのは球団史上初。「(ソフトバンクの)千賀さんが育成選手だと知って、自分もそうなりたいと練習してきた」。山本と同じ弱冠20歳の右腕。金子、西が抜けた今季のオリックスを象徴する白星になりそうだ。「初勝利もそう。2桁勝利もしたいし、優勝に貢献できる選手になりたい」。夢がかなうまで弱音は吐かない。父と約束したのだから――。(鶴崎 唯史)

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