オコエ、先頭弾で猛烈アピール 平石監督「1番候補なのは間違いない」

[ 2019年2月25日 05:30 ]

オープン戦   楽天8―3ヤクルト ( 2019年2月24日    ANA BALLPARK浦添 )

初回無死、オコエが左越えに先頭打者ホームランを放ちベンチに迎えられる(撮影・篠原岳夫)
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 楽天のオコエ瑠偉外野手(21)が24日、ヤクルト戦に「1番・右翼」で出場し、初回にオープン戦1号となる先頭打者弾を放った。今季実戦3発目で持ち前のパワーを発揮。昨季新人王の田中和基外野手(24)も連弾で続けば、ドラフト1位・辰己涼介外野手(22=立命大)もオープン戦初本塁打を放った。外野の定位置を争う若い力が躍動し、今年の楽天は変わる。

 バットの先で打っても、打球はあっという間に左翼芝生席まで飛んでいった。圧倒的なパワー。オコエは納得の表情を浮かべた。

 「芯ではなかったけど、自分のスイングができたから、あそこまで飛んだんだと思う」。ヤクルトの新外国人スアレスが投じた3球目のスライダーだった。先頭打者弾は17年8月31日の西武戦で、あの菊池(現マリナーズ)から放って以来だ。

 練習試合を含め、早くも3発目。昨季までの自身を「今までもパワーはあったけれど、それを生かせていなかった」と振り返る。昨年12月、イチロー(マリナーズ)や、大谷(エンゼルス)らの動作解析を独自に研究している専門家に師事し、打撃に関する体の使い方を学んでいる。詳細は「(シーズンで)活躍するまで話さない」と明かさないが「オフに学んだことが生きている」と手応えを口にする。

 平石監督も「良い方向にいっている。今までにない姿を見せてくれている」と変化を感じ取っている。特に成長を感じたのは5回1死二、三塁でカウント2―2から右翼へ犠飛を放った場面。「追い込まれてから最高の内容。ああいうことができるようになっている」。プロ4年目。力任せではなく、状況に応じた打撃も身についてきた。

 3試合連続での1番起用。指揮官は「足もあるしパンチ力もある。昨季は1番だった田中に2番をやらせてみようというのもある。オコエは1番候補なのは間違いない」と狙いを説明する。昨季の新人王の田中は俊足のスイッチヒッターということもあり、2番に座ることで多様な作戦が可能。今は実戦を通じて新たなオプションの可能性を試している。

 外野は最激戦区。オコエは同じく本塁打を放った田中や新人の辰己、島内と開幕スタメンを争っている。「凄く良い戦いができている。この争いに加われて刺激になっている。若手が活躍すれば、チームの底上げにもなる」。オコエを中心に激しく火花を散らす外野の若手たちこそ「新生・楽天」の象徴といえる。 (重光 晋太郎)



 《オコエ先頭打者弾 雄星から放って以来》

 オコエ(楽)が初回表に先頭打者本塁打。自身公式戦での先頭打者弾は17年8月31日西武戦で菊池から初回裏に記録しているが、オープン戦では初めて。チームでは14年3月12日オリックス戦で榎本がマークしたのに次ぎ2人目になる。また、この日は2番の田中もオコエに続き本塁打。オープン戦で初回先頭から2者連続本塁打は広島の鈴木誠、菊池が15年3月15日オリックス戦で続けて以来。パのチームではオリックスの田口、イチローが95年3月18日中日戦で記録して以来24年ぶり。楽天では初めてだ。

 オコエの公式戦先発1番は16年8試合、17年13試合の計21試合ある。通算成績は86打数21安打(打率.244)、3本塁打、7打点。昨季は32試合に先発出場したが、1番に座った試合はなかった。

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