大ベテランの存在感 福留 今春初実戦1打席目に本塁打

[ 2019年2月25日 05:30 ]

オープン戦   阪神2―4中日 ( 2019年2月24日    北谷 )

初回、福留は先制となる中越え本塁打を放つ(撮影・椎名 航)
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 阪神・福留孝介外野手(41)が24日、中日とのオープン戦(北谷)で今春初実戦に臨み、いきなり中越え本塁打を放った。初回の第1打席、最初のスイングでアーチを描く離れ業。試合は2―4で敗れても、頼れる大ベテランの存在感が際立った。

 アピールの必要はない。結果も度外視。そんな状況でも観衆を魅了してしまうのが千両役者だ。満を持して実戦初登場した福留が今年のファーストスイングで鮮やかな中越え弾を放った。

 「うまく当たってくれた。でも、それがどうこうじゃなく、その前にボールをしっかりと見られたし、今の時期はそっちの方が大事じゃないかな」

 涼しく振り返る横顔からは、頼もしさしか感じられない。試合開始からわずか3分後。初回2死無走者から柳の球をどっしり見極め、3ボールからの4球目を打ち抜いた。

 百戦錬磨のベテランのオープン戦初打席本塁打は、中日時代の00年にまでさかのぼる。まだがむしゃらにアピールしていたプロ2年目。2月26日の横浜戦(現DeNA)で関屋から右越え3ランをして以来だ。いまや立場は違い、3回に中飛を打って2打席で交代。「今日の目的はしっかり打席に入って、ゲームに出られる体であるのを確認することだから」。十二分に健在を示し、矢野監督も脱帽させた。

 「お見事。2死になって3ボールから、もちろん、打っていくかなと思ったけど、しかもバックスクリーンにね。初めての試合で出せるのは凄いと思う。次のカーブの凡打も、紙一重のスイングができていた。何の心配もいらない」

 3年間務めた主将の座を今季から糸原に託しても、猛虎最年長としての責任感は変わらない。キャンプ中は若手だけでなくマルテら新外国人も食事に連れ出し、気さくに相談に乗った。7日には打撃投手、ブルペン捕手全員に加えて近本、木浪ら新人など総勢20人余りを招待。若手選手に向けては「こういう人たちのおかげで野球がやれるんだよ」と感謝の気持ちを忘れずにプレーするように諭した。

 キャンプでの仕上がり確認のため近年は最終盤の実戦出場が恒例。少し早い初実戦で古巣の中日を含む両軍ファンを魅了し、「たくさんお客さんが入ってくれている中で“まだまだ元気ですよ”“若い選手には負けません”というところを見せられたんじゃないかな」と頬を緩めた。(山添 晴治)

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2019年2月25日のニュース