阪神・北條 ラッキーボーイや “ハマ風”も味方に、山崎撃ち二塁打

[ 2018年6月29日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3―2DeNA ( 2018年6月28日    横浜 )

<D・神>4回2死一塁、北條が右前に落ちる幸運な勝ち越し適時打を放つ(撮影・岩崎 哲也)
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 阪神・北條の意地が「幸運」を運んできた。同点の9回。先頭で打席に入るとDeNAの守護神・山崎相手に粘りを見せた。フルカウントから8球目のツーシームに詰まらされたが、打球はレフト方向から中堅方向に吹く強い風の影響も受けたのか、ファウルゾーンから戻ってきたようにも見え、左翼線に落ちる二塁打となった。

 「初球から打ちに行って見極められたのがよかった。追い込まれてからは何とか食らいついて、塁に出ようと思っていた。1本目では“取り返した”とは思ってなかったので」

 金本監督も「北條がラッキーだったわな。最後もいいところに落ちた。(初回の拙守を)取り返したというのかな(笑い)。まあ、そういうことにしときましょう」と表現した幸運ぶりで勝ち越し機を築くと、続く山崎の犠打に敵失が絡み、代走の熊谷が決勝の生還を果たした。

 先発は24日の広島戦以来だが、三塁となると16年8月10日以来だった。不慣れとまではいかないが初回1死二塁からソトの平凡なゴロを後逸しピンチ拡大。先制点につながった。「岩田さんに申し訳ない」。反骨心を胸に迎えた4回の第2打席で流れを変えた。いや、変わった。同点に追いつき、なおも2死一塁から二塁後方への平凡な飛球を二塁・柴田と右翼・神里が譲り合い、ポトリと落ちる勝ち越し適時打に。6回の中前打と合わせ23日広島戦以来、今季2度目の3安打を記録した。

 苦しんだ昨季、グラウンドはもちろん、意外なシーンで不振を痛感した。「(先発で)試合に出なくなってからサイン求められる回数がめっちゃ減りました。つらいっすよ…」。遊撃に定着した16年との明らかなギャップ。「(プロって)そういうモノですよね」と苦笑いしたが、心では泣いていた。

 今季は3年ぶりの開幕2軍スタートとなり鳥谷、植田、糸原らからポジションを奪いに行く厳しい立場が続く。限られたチャンスで少しずつ「らしさ」は出始めた。陽川に続く「幸運児」となれるかは自身にかかっている。(巻木 周平)

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2018年6月29日のニュース