西武・多和田8勝 森慎二さん一周忌に届けた…亡くなった日に勝てず

[ 2018年6月29日 05:30 ]

セ・リーグ   西武14―11オリックス ( 2018年6月28日    メットライフD )

<西・オ>8勝目を挙げた多和田は故森コーチのユニホームの前を通って引き揚げる(撮影・森沢裕)
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 大量援護に助けられた。ただ、どうしてもつかみたかった白星だけは届けた。西武・多和田は6回5失点と苦しい内容ながら、5月17日以来となる8勝目。「勝てたのは野手の方のおかげ。何としてもチームの勝利をという気持ちだった。結果として勝てて良かった」と口にした。

 昨年6月28日に多臓器不全により42歳で急死した、当時投手コーチの森慎二さんの一周忌。ベンチとブルペンには背番号89のユニホームが掲げられた。森さんが亡くなった当日のロッテ戦(那覇)に先発したのも多和田だった。5回1/3を3失点と粘ったが、延長戦の末に敗れると、試合後に訃報がチームに知らされた。「教わった下半身の使い方など、悩んだ時の引き出しにしていきたい」と、修正と飛躍を誓った。

 追悼試合となった昨年6月30日。ここ本拠で、同じオリックスの山岡の前に零敗を喫した。雪辱を果たすように打線は、今季最多18安打を重ね14得点と援護した。19号ソロの山川は「そういう日ということで、みんな気持ちが入っていた」。ウイニングボールは亡きコーチの夫人に届けられる。

 負ければ2位・日本ハムにゲーム差なしに迫られるところだった。「絶対に勝ちたかった試合。(森さんは)投手陣に怒っているんじゃないか」と苦笑いの辻監督だったが、一丸で弔いの星をささげた。  (後藤 茂樹)

 ▽森慎二コーチの急死 17年6月25日、ヤフオクドームに球場入りしたが体調不良を訴え、そのまま入院。2日後の27日に球団が病気療養を発表したが、28日午前0時10分、多臓器不全で帰らぬ人となった。同日のロッテ戦の試合前に、辻監督だけに事実が伝えられた。先発・多和田は6回途中3失点。打線は2度リードされながら追いつく執念を見せたが、延長11回の末に3―4で惜敗。ナインには試合後、鈴木葉留彦球団本部長が説明した。

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