広島・高橋昂 菅野に勝った!プロ初勝利 天国の恩師に吉報届けた

[ 2018年6月29日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4―2巨人 ( 2018年6月28日    マツダ )

<広・巨>6回2失点の好投でプロ初勝利を挙げた高橋昴(撮影・荻原 浩人)
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 広島・高橋昂也投手(19)が28日の巨人戦(マツダ)で自己最長6回を2失点に抑えて初勝利を挙げた。プロ3度目の登板で球界を代表する菅野との投げ合いを制し、打撃でも初安打を記録。野間の逆転弾などにも後押しされ、今季初の6連勝とリーグ最速の40勝到達を呼んだ。

 菅野に勝っていた部分はどれほどあっただろうか。球威、キレ、制球…。どれを取っても見劣りする中、高橋昂には19歳とは思えないチームへの愛情があった。

 「初勝利というよりは、チームの力になりたいという気持ちだった。投げ勝ったのではなくて、野手の皆さんに助けてもらった。まだまだ自分の力が足りないということ」

 初回は先頭の坂本勇に右翼フェンス直撃の三塁打を浴び、1死後にマギーの内野ゴロの間にあっさりと先制を許した。それでも「自分の調子が出てきた」と3回には上位を3者連続空振り三振。2点目を失った5回は味方失策で続いた窮地を切り抜け、直後の逆転劇を呼んだ。6回は1軍では自己最長。3安打2失点で堂々と投げ抜いた。

 小学3年で野球を始めた栗橋ジャイアンツでは元巨人で引退後はブルペン捕手も務めた斎藤勝博氏の指導を受けた。控え投手にもかかわらず「プロになれる」と潜在能力を認められた。夜には突然の電話で呼ばれ、シャドーピッチングで特訓。そんな師弟関係は小学6年の時、同氏ががんで急逝して幕を閉じた。病床を見舞った際に「本当にプロになるんだよな!」と問われ「なります」と初めて夢を公言した。

 無名選手から「ビッグ4」に名をあげて、プロ入りの約束は果たした。鍛錬の1年目を終えて迎えた今季は待望のデビュー。過去2度の登板は結果を残せなかった中、3度目の昇格は当初は先発予定だったフランスアが26日に救援したことで急きょ巡ってきた。「全部の変化球がよかった」と7奪三振は全て変化球で奪い、今度こそ満足できる投球内容だった。

 今季初の6連勝とリーグ最速40勝に貢献。初めて立った殊勲の檀上で「いろんな方に感謝したいです」とかみしめた。「まだ1勝。これを継続していかないと」。独走の赤ヘルに頼もしい19歳が加わった。(河合 洋介)

 ◆高橋 昂也(たかはし・こうや)1998年(平10)9月27日生まれ、埼玉県出身の19歳。栗橋東小3年から野球を始め、花咲徳栄では1年秋からベンチ入り。2年夏から3季連続甲子園に出場し、2年夏の8強が最高成績。16年ドラフト2位で広島入団。昨季は1軍登板はなく、ファーム選手権で白星を挙げた。1メートル81、87キロ。左投げ左打ち。

 《斉藤悠葵以来12年ぶり》高橋昂(広)がプロ初勝利。広島の投手が巨人戦でプロ初勝利を挙げるのは15年7月1日の薮田以来2年ぶり。高橋昂は19歳9カ月。10代投手でプロ初勝利が巨人戦だったのは11年4月16日の今村以来7年ぶりで、先発に限ると06年10月1日の斉藤悠葵以来12年ぶり。

 《マツダでの巨人戦は9連勝中》広島は今季初の6連勝で40勝リーグ一番乗り。16年から3年連続7度目で過去6度のうち優勝は75、80、16、17年の4度。巨人3連戦に全勝は昨季5月26〜28日の東京ドーム以来。マツダでは16年5月24〜26日以来2年ぶり。同球場での巨人戦は昨季8月12日から9連勝中で、シーズン5連勝は15年に並ぶ最長タイ。

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