広島 マツダで初開幕星 219日ぶりの誠也初の開幕4番で適時二塁打

[ 2018年3月31日 05:45 ]

セ・リーグ   広島6―3中日 ( 2018年3月30日    マツダ )

<広・中>3回無死二塁、左中間に勝ち越し適時二塁打を放ち、ガッツポーズを見せる鈴木
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 球団初のリーグ3連覇に挑む広島は、初の開幕4番に座った鈴木誠也外野手(23)が同点の3回に左中間へ適時二塁打を放った。右足首を骨折した昨夏以来、219日ぶりの公式戦で勝利に貢献する一打。チームは中日に逆転勝ちし、開幕戦の連敗は3でストップ、マツダスタジアムで開幕戦初勝利を挙げた。

 カクテル光線を浴びながら笑顔が輝いた。奇禍に見舞われた昨年8月23日、DeNA戦から219日ぶりの公式戦。自身初の開幕4番に座り、勝利に貢献した鈴木は試合後、充実感をにじませた。

 「守備から入り、球場の雰囲気を感じ取れたので、緊張は特にしなかった。開幕を無事に終え、チームが勝てたので良かったです」

 力を誇示したのは同点の3回だ。無死二塁の好機で、小笠原の内角高めチェンジアップを左中間へ勝ち越し二塁打。「祐輔さんが頑張っていたので、つなげようと思った。粘りながら自分のスイングで振り抜けた」と表情を緩めて自賛した。

 「今季はこれまでとは違った1年になる。開幕には覚悟を持って入ろうと思います」

 開幕前、鈴木はそう打ち明けた。絶望感の中でスタートした2018年の自主トレ。走れば痛い。強く動くと痛い。「このままでは絶対に野球はできないだろうな…と」。苦痛に顔をゆがめ、悲嘆にくれる23歳がいた。

 不安を抱えながらのキャンプイン。それでも地道に復帰へのステップを踏んだ。好転したのは3月に入ってからだ。直前23、24日のソフトバンク戦。人工芝で2試合をこなし、開幕にひと筋の光が見えた。

 「たとえ7、8割でも結果を出さないといけない。この状態でどれくらいのパフォーマンスが出せるのか。そこは楽しみです」

 患部と向き合いながら戦う今季。リスク覚悟で、未知なる自分を追求する。そんな若武者を開幕4番に指名した緒方監督は「いいスイングをしていたね。野手は1本出たら肩の力が抜けるから」と話し、2戦目以降の猛打爆発を予告した。

 「(右足首骨折後)初めて最後まで出たので疲れました。いつも以上に力が入っていたと思うので、明日またケアして臨みたい。1試合終わっただけなので、気を緩めずに」

 曲折を乗り越え、たくましく成長して背番号「51」はグラウンドに帰って来た。居るだけで華があり、何かドデカいことをやってくれる。そんな期待に胸を膨らませて、誠也の1年が幕を開けた。(江尾 卓也)

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