楽天“星野魂”開幕戦5時間延長戦制した “チルドレン”藤田12回V打

[ 2018年3月31日 05:40 ]

パ・リーグ   楽天3―2ロッテ ( 2018年3月30日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>藤田を笑顔で迎える梨田監督(左)
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 執念が実った。2―2の12回に2死一、二塁とし、打席には楽天・藤田。益田のカットボールを強振するとフラフラと上がった打球は右前にポトリと落ちた。

 「どんな形でもいいから打とうと思った。一塁に走りながら“落ちろ”と叫んでいた」。引き分け目前で勝ち越し、開幕戦では歴代2位の長さである5時間の死闘を制した。

 ユニホームの左胸の裏地には1月に亡くなった星野仙一前球団副会長の監督時代の背番号「77」の星形のロゴがついていた。前回優勝した13年。当時の星野監督の下、藤田は副将を務めてベストナインとゴールデングラブ賞を獲得するなど、日本一に貢献したバリバリの主力だった。

 今季は左ふくらはぎ痛のため、キャンプは2軍スタート。開幕戦もスタメン落ち。必ずしも順調にこの日を迎えたわけではなかった。それでも8回の守備から出場すると、最後の最後にベテランらしく仕事をこなした。「みんな星野さんを亡くして、悔しい思いをして開幕を迎えた。勝利でスタートできて良かった」。闘将から受け継いだ負けん気で、勝利につなげた。

 梨田監督は試合前のミーティングで「ユニホームに77の番号が入っている。副会長と一緒に戦っていこう」と選手に語りかけた。5時間を戦い、勝利で終えた指揮官は「試合中も時々、(ロゴのついた)左胸を触りながらね。“負けたらあかんで”と言われると思うので、勝てて良かった」と安どの表情を浮かべた。 (黒野 有仁)

 【史上初2年連続開幕戦延長勝利】ロッテ―楽天戦の試合時間は5時間ちょうど。開幕戦で試合時間が5時間に達したのは14年の日本ハム―オリックス戦(札幌ドーム)の5時間2分に次ぎ2度目となった。また、楽天は昨年もオリックスとの開幕戦で延長勝ち。2年連続の開幕戦延長勝利は史上初だ。

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