大谷伝説開幕!初打席初球初安打 まずは打者で快音デビュー

[ 2018年3月31日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―6アスレチックス ( 2018年3月29日    オークランド )

2回2死一塁、右前打を放つ大谷
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 大リーグは29日(日本時間30日)に各地で本格開幕した。エンゼルスの大谷翔平投手(23)はアスレチックス戦で「8番・DH」でデビューし、2回の初打席で初球を右前打した。日本人メジャーリーガーで開幕戦にDHで出場するのは初めて。5打数1安打で、試合もサヨナラ負けを喫したが、二刀流選手としてまずは打者で第一歩をしるした。

 オークランドの照りつける日差しにブーイングが交じる中、大谷は初打席に向かった。2回2死一塁だった。

 「初打席に向かう時は、おそらくこの先忘れない打席になるのかなと思うので、凄い特別な感情があるんじゃないかと思った」

 だが、そんな感慨は集中で消した。「ずっと投手のモーションを見ながら1球目から合わせにいく準備だけをしていた」。右腕グレーブマンの初球、内角に食い込む92マイル(約148キロ)カットボールを振り抜いた。痛烈な打球は一塁走者・シモンズの股の間を抜け、右前に転がった。日本選手のメジャー開幕戦DH出場は初。そして、初打席初球安打は08年のカブス・福留(現阪神)以来4人目だ。記念すべき安打は「シモンズ選手が一塁(走者)にいたのでああいう形で抜けてくれた」と謙虚に振り返った。

 5打席の計14球中、見逃しストライクは1度だけ。「初球から打ちにいくスタイル」は日本ハム時代そのものだった。信念を貫きながら柔軟な変化も恐れない。ノーステップ打法だけではない。バットにも改良を加えた。アシックス社の「くり抜きバット」。重さを変えず先端をくり抜くことで、重心がグリップ寄りに移動し操作性を増した。大谷は「一年、一年変えている。そのバットをしっかり使えれば」と言った。

 残りの4打席のうち、3度の内野ゴロで一塁へ全力疾走した。ア軍のボブ・メルビン監督は「あんなにいい走りができる選手だとは思わなかった」とうなった。その礎は父・徹さん(55)の教えにある。米メディアから「父から一番ためになったアドバイスは」と聞かれ「一塁までしっかり走ること」と答えた。打って、走った打者デビュー戦。1日(日本時間2日)の同戦では投手としてマウンドに立つ。

 3月29日、8番での開幕戦出場はプロ野球でキャリアをスタートした13年の開幕・西武戦と同じだった。「打者では緊張したことはない。今日もそれほど緊張しなかった」。ベーブ・ルース(当時レッドソックス)が1918年に13勝&11本塁打をマークしてから100年。大谷が目指すのは「世界一の二刀流」である。 (柳原 直之)

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2018年3月31日のニュース