栗山監督に正力賞「本当におこがましい。辞退したいくらい」

[ 2016年11月18日 05:30 ]

受賞に満面の笑みを見せる栗山監督

 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手らに贈られる「第40回正力松太郎賞」の選考委員会が17日、東京都内で行われ、日本ハムを10年ぶりの日本一に導いた栗山英樹監督(55)が満場一致で初選出された。賞金は500万円。日本ハムとしては、選手を含めても初の受賞。二刀流の大谷翔平投手(22)の起用法をはじめ、固定観念にとらわれずにチームを押し上げた手腕が高く評価された。

 栗山監督は恐縮しきりだった。球界で最も名誉ある賞を受賞し「自分がこんな賞をもらえるなんて想像もしていなかった」と喜んだ。そして、「本音で言うと、重すぎる。本当におこがましい。できれば、辞退したいくらい。良い意味でね」と謙遜の言葉を並べた。

 常日頃から野球界の歴史を深く学び、造詣が深い。ベーブ・ルースを初めて日本に呼び寄せ、日米野球開催に尽力した人物が正力松太郎氏であることは少年時代に本から学んだ。「プロ野球の父」と呼ばれる正力氏の冠がついた同賞の重みは誰よりも理解していた。

 縁も感じている。二刀流の大谷が14年にそのルース以来となる「2桁勝利(11)&2桁本塁打(10)」を達成。元祖二刀流の名が再び世界に知れ渡った。大谷は今季、前人未到の「10勝、20本塁打、100安打」を達成し、日本一に貢献。指揮官はキャンプ地のアリゾナでルースの誕生日である2月6日に大谷に開幕投手を通達していただけに「意味があったんだったら、うれしいと思う」と表情をほころばせた。

 受賞理由に挙げられたのが、固定観念にとらわれない柔軟な選手起用や采配だ。開幕から勝ち星に恵まれなかった大谷を交流戦前にDHを解除することで投手として再生。7月には「1番・投手」で起用した。試合前、大谷に「これで負けたら俺もおまえも相当批判されるからね」と告げ、大谷も無言でうなずいたという。その結果が史上初となった投手のプレーボール弾。その後、チームの連勝は球団新記録の15まで伸び、ソフトバンクとの最大11・5ゲーム差を逆転し、4年ぶりのリーグ優勝を果たした。

 選考委員を務めたソフトバンクの王貞治球団会長に感謝の念もあった。大谷が1年目だった13年。ヤフオクドームでの試合で、わざわざ日本ハム側の食堂に出向いた王会長から「(二刀流で育てるのは)本当に大変だけど、頑張りなさい」と声を掛けられ「王さんの言葉が励みになったし、力になった」と言う。先入観を捨て、信じた道を突き進む原動力になった。

 現状にも満足はしていない。「日本一になったからこそ課題ばかりが見えた。点数を付けるとしたら20点か30点」。そう言った栗山監督は球団初の日本一連覇に挑む来季に向け「今年以上に大胆にいく。チームを大きく動かす」と宣言した。(柳原 直之)

 ▽正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に選考委員会が選出する。受賞者は日本一に輝いた監督が多く、最多は第1回を含め4度選ばれた王貞治氏。

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