虎ドラ4ルーキー望月 19日巨人戦で1軍デビュー決定

[ 2016年9月16日 06:33 ]

ドラ4ルーキー望月

 来季を見据え、将来のローテ候補を抜てきだ。阪神がドラフト4位ルーキーの望月惇志投手(19)を19日の巨人戦(甲子園)で先発起用する方針であることが15日、分かった。阪神の高卒新人が巨人戦でプロ初登板初先発し、勝利を収めれば球団史上初の快挙となる。この日で15年ぶりとなる9月中の最下位(同率5位)に沈んだが、望月よ、沈痛な虎党を、来季へつながる光明で照らしてくれ!

 いよいよ「金の卵」が1軍デビューする時が訪れた。当初予定では、16日からのウエスタン・広島3連戦(由宇)で先発するはずだった望月は遠征に帯同しなかった。きょう敗れれば4位以下が確定しCS進出の可能性が完全消滅する。それでも惜しみない声援を送ってくれる虎党に、せめて来季への希望を示したい。将来のエース候補として2軍で手塩にかけて育成してきた新人右腕を、本拠地・甲子園でお披露目する方針が固まった。

 1メートル88、84キロの堂々たる体格から投げ下ろす剛球は最速152キロを叩き出し、切れ味鋭いスライダーも兼ね備える。その豪快な投球スタイルに反し、甘いマスクも持ち合わせている。デビュー時期に関して、これまで幾度となくスポーツ新聞各紙上をにぎわせてきた背番号61が、いよいよベールを脱ぐ時が来た。

 1軍抜てきにふさわしい成績も、積み上げてきた。高卒新人ながら、2軍ではすでに先発ローテーションに定着。10日のウエスタン・リーグの中日戦(鳴尾浜)で“プロ初完投”の1失点完投勝利を飾るなど、2軍では主に先発として14試合に登板して5勝3敗、防御率3・84の好数字。来季の1軍戦力として構想するからこそ、今年の内に1軍マウンドを経験させるというわけだ。

 首脳陣の期待も、大きい。金本監督は4月26日の履正社ベースボールクラブとのプロアマ交流戦(鳴尾浜)で望月の投球を視察した時から「(将来の)エース候補」と熱視線を送っていた。さらに7月17日には1軍練習にも呼んで自らブルペン投球を見守り、「スライダーがいいわ。今の曲がりだと右打者はなかなか打てない。直球もハマれば、いい球を投げる」と高評価。掛布2軍監督からも以前から「1軍に推薦できる候補の1人」と近日中の1軍抜てきを示唆されていた。加えて、12日の練習日には香田投手コーチも「(望月を)1軍で見たいことは見たい。ファームで推薦がある人はチャンスがある」と抜てき機会を模索していた。虎党だけでなく、首脳陣にとっても待望の初マウンドとなる。

 高卒新人が甲子園の巨人戦で1軍デビュー。その待遇もまた望月への期待の大きさを物語る。阪神の高卒新人が巨人戦でプロ初登板初先発し、勝利を収めれば球団史上初の快挙となる。秋風が吹く寂しい時期。この日、甲子園球場の上空に輝いた中秋の名月の如く、望月が低迷する猛虎を光明で照らしてくれたら、言うことなしだ。

 ◆望月 惇志(もちづき・あつし)1997年(平9)8月2日生まれ、神奈川県出身の19歳。5歳から野球を始め、芹が谷中では横浜南ボーイズに所属。横浜創学館では2年春からベンチ入りし同秋からエース。甲子園出場なし。1メートル88、84キロ。右投げ右打ち。

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