復活した山崎康 史上初!新人から2年連続30S

[ 2016年9月16日 06:12 ]

<神・D>最後を締めた山崎康は戸柱(右)と笑顔でハイタッチ

セ・リーグ DeNA8-6阪神

(9月15日 甲子園)
 苦しみ、もがき、ようやく節目に到達した。2点リードの9回に登板したDeNAの守護神・山崎康は先頭・鳥谷を149キロの直球で見逃し三振に仕留めると、後続の2人も凡退。武器であるツーシームを使わず、9球全て直球勝負だった。

 新人からの2年連続30セーブは史上初。試合後に取材を受けていると突然、背中を小突かれた。驚いて振り返ると、いたずらっぽい笑みを浮かべた筒香がいた。手荒い祝福を受けた右腕は「数字は気にしていなかったけど、正直、ここまでは長かった。マウンドに上がれるのは、みんなのおかげです」とチームメートに感謝の言葉を並べた。

 1年目とは重みが違う。8月は9試合登板で3敗を喫し、計14失点。セーブが付く場面で起用されないこともあった。「何回も、何回もチャンスをもらったのに生かせなかった。悔しかった」と振り返る。自宅に帰ると、携帯電話を見なくなった。励ましの言葉が届いても、見るのがつらかった。そんな時に声を掛けてくれたのが、主将の筒香だった。食事の席でこう言われた。「俺はおまえが今を乗り越える力があると思ってるよ。こんなもんじゃないだろ?」。尊敬する先輩からの言葉が、うれしかった。

 これで9月は7試合中6試合で無失点。「打たれていた時はツーシーム主体で腕が振れていなかった」と、投球を直球主体に変えて切れが復活した。これが本来の姿。4位・ヤクルトとのゲーム差は4に広がり、球団初のCS進出にまた一歩前進した。残り8試合。復活した守護神が、最終回を守る。(中村 文香)

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2016年9月16日のニュース