日本生命 逆転サヨナラ2冠!都市対抗に続き栄冠、史上3チーム目

[ 2015年11月10日 05:30 ]

<日本生命・Honda>9回、サヨナラ打を放ち、歓喜の福富(左)ら日本生命ナイン

スポニチ後援第41回社会人野球日本選手権最終日・決勝 日本生命3―2Honda

(11月9日 京セラドーム)
 決勝が行われ、日本生命がHondaに3―2で逆転サヨナラ勝ちして02年の第29回大会以来、13年ぶり3度目の優勝を飾った。1点を追う9回に3連打で同点とし、なお続く1死満塁から福富裕外野手(25)が左越えのサヨナラ打。都市対抗との同一年での2冠達成は、88年の東芝、12年のJX―ENEOSに続き史上3チーム目となった。全5試合で打点を挙げた古川昌平捕手(23)が最高殊勲選手賞に輝いた。

 福富の打球は快音を残し、左翼手の頭上を破った。9回に待っていたドラマ。1死から上西と古川の連打で一、三塁の好機をつくり、主将の岩下が右前へ同点打。なおも1死満塁として、2番打者が試合を決めた。

 8度宙を舞った十河章浩監督の第一声は震えていた。「本当に、この選手たちは凄い。心臓が痛いよ…」。大会5試合目で初めてリードを許す苦しい展開だったが、驚異の粘り腰を見せた。福富はインタビューで声を張り上げた。「満塁で回ってくると思っていました。大阪で、社員の方と優勝を分かち合えて最高です」。2回戦のJR東日本戦で放ったグランドスラムに続く、“満塁男”の大仕事だった。

 十河監督がヘッドコーチから昇格したのは14年。一つの課題を持っていた。他チームと技術、体力に差がないのになぜ勝ちきれないのか――。「ゲームで大事なのはメンタル。そこで差をつけることができないものか」。メンタル指導の第一人者、東海大の高妻容一教授からも助言を受け、練習中から常にこの日のような緊迫した決勝戦をイメージさせてきた。「今は表情が全然違う。以前はピンチで青ざめていた選手もいましたから」

 ユニホームの左袖に黒獅子旗のエンブレムが光る。都市対抗を制した証で、1年間着用できる。選手補強が可能な都市対抗と違い、単独チームでの力が問われる大会。この日は入社1年目の148キロ右腕・小林を2番手で起用するなど、勝ち続ける中で戦力の底上げも図ってきた。すべては「来年の都市対抗も勝つため」(十河監督)だ。2大大会制覇も日本生命にとってはまだ通過点にすぎない。 (吉仲 博幸)

 ▼日本生命・古川(最高殊勲選手。決勝も2回に先制打)最高です。(9回は)攻めて勝つぞ、という強い気持ちで臨んだ。

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