サスペンデットのワケ 和田 初完封一転…3勝目保留に

[ 2014年8月22日 05:30 ]

サスペンデットとなった21日のジャイアンツ戦で力投する和田(AP)

 大リーグ機構(MLB)は20日(日本時間21日)、カブスの和田毅投手(33)が3勝目を挙げていた19日(同20日)のジャイアンツ戦を降雨コールドゲームからサスペンデッドゲームに変更すると発表した。同戦は2―0の5回表終了後に大雨となり、4時間34分の中断後にコールドゲームが宣告されたが、ジ軍側がカ軍側のグラウンド管理に問題があったとして異議申し立てを行っていた。和田の初完封は取り消され、試合は21日午後4時5分(日本時間22日午前6時5分)開始で5回裏から続行される。

 日本人最速のメジャーデビュー7戦目の完封勝利から一転。前日に5回無失点と好投していた左腕に「悲報」が舞い込んだのは試合開始直前だった。コールドゲームが取り消され、サスペンデッドゲームに変更されたのは86年のパイレーツ―カージナルス戦以来、実に28年ぶりの珍事。21日の続行試合では和田は登板しないため、完封は消え、3勝目も保留扱いとなった。

 「残念ですけど、勝った状態で始まるので、チームを応援するしかない。違う意味で記録に残った」

 苦笑いを浮かべるしかなかった左腕。コールドゲームが覆った理由は、公認野球規則4・12(a)(3)の「サスペンデッドゲーム」の「球場の(排水設備などを含む)装置の故障」が適用されたため。5回表終了後に大雨が降ったのは約15分。その間、グラウンドクルーが内野グラウンドを覆う防水シートをかけ損ない、中断から4時間34分たった20日午前1時14分にコールドゲームが宣告された。MLBは調査でカ軍側が前回防水シートを使用した際の巻き取り作業に不備があり、今回速やかに使用できなかった原因になったと判断し、異議申し立てをしていたジ軍の主張を支持した。

 カ軍のジェド・ホイヤーGMは批判の対象となっているグラウンドクルーについて「彼らの普段の仕事ぶりの打率は高い。ただ、この状況では10割でないといけなかった」と釈明した。一方で、ナ・リーグ西地区首位のドジャースを3ゲーム差で追うジ軍のラリー・バー球団社長は「MLBが我々の抗議に従って、注意深く見直してくれたことに感謝する」と声明文を発表した。

 中1日で続行される試合で、カブスがリードを守りきれば和田の3勝目は消えないが、左腕の気持ちはもう先へ向けられている。「きのうはいいところも悪いところも出た。次の登板に生かしたい」と前向きだった。

 ▼1986年6月16日のパイレーツ―カージナルス戦 カ軍が4―1でリードした6回表終了後に降雨のため中断。一度はコールドゲームが宣告されたが、ホームのパ軍がナ・リーグの中止規定である30分間試合を中断して、グラウンド状況の回復を待たなかったことを理由に異議申し立てを行い、それが支持されてサスペンデッドゲームに変更。試合は18日に再開され、パ軍が8回に1点を奪ったが、カ軍が4―2で逃げ切った。5回1失点で6回に代打を送られて降板していた先発コックスが2勝目(5敗)を挙げた。

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2014年8月22日のニュース