番長三浦 40歳5連勝だぜ!“遅球”で好調広島打線を幻惑

[ 2014年8月22日 05:30 ]

<D・広>7回無失点で5勝目を挙げた三浦は、タオルを掲げて「アイ・ラブ・ヨコハマ~」と絶叫

セ・リーグ DeNA3-0広島

(8月21日 横浜)
 試合後、車に乗り込むと助手席に座った高校生の愛娘に穏やかな笑みを浮かべた。ダンディーな40歳のパパ。DeNAの三浦はマウンドでも頼もしかった。

 7回を5安打無失点で今季5勝目。40代では07年の工藤公康(当時44歳)を超える球団新記録の5連勝に、「たまたま。しっかり寝て、しっかり食べているからかな」と胸を張った。

 前日まで8試合続けて2桁安打していた広島打線に対し「自分が上がったマウンドで負けたくない」と闘争心を一段と高め、持ち前の緩急で勝負した。アクセントに使ったのがスローカーブ。6回、丸への初球に101キロ、2球目はさらに遅い92キロを投じた。中前打を打たれたが「遅球」を広島打線に植え付けることが狙いだ。今夏の甲子園で東海大四・西嶋の計測不能の超スローカーブが物議を醸した。三浦は言う。「彼もぶっつけ本番で投げたわけではない。遅い球を(速い球と)同じ腕の振りで投げるのは技術」。計4球の遅球で配球に奥行きを加えた。

 6月までは0勝4敗で2度の2軍落ちを経験。先発枠に生き残れるかを気にしてしまい、力みにつながった。結果、生命線の制球力にズレが生じた。それが、7月以降は5連勝。打者との対戦に集中することだけを考え、さらに「待ってくれる人がいるから」と強調する。家族はファームで先発登板の日も駆けつけてくれた。苦しい時も支えてくれただけに、結果で恩返しをしたかった。

 チームの連敗を3で止め、3位・広島と5・5ゲーム差。中畑監督は「投手コーチ(兼任)なのに。井納、(山口)俊はしっかり見ていたか?」と投げかけた。逆転CS進出に向け、若手は三浦を手本にしなければいけない。

 ≪右腕は三浦が初≫12月で41歳を迎える三浦が今季5勝目。41歳シーズン以上で5勝以上は、史上9人目(16度目)。うち、右投手は49年若林(神=1リーグ時代)、90年村田(ロ)、06年吉井(オ)、10年木田(日)に次ぎ5人目で、リーグ初となった。また、7月13日のヤクルト戦からは5連勝。同年齢以上での5連勝は、山本昌(中)の7連勝と5連勝、大野(広)、工藤の各5連勝以来4人目だが、右腕は三浦が初めてだ。

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2014年8月22日のニュース