新井の驚異的集中力 代打初球打率は・714

[ 2014年8月11日 06:24 ]

<神・広>5回2死満塁、代打・新井が左前に2点適時打を放つ(投手・福井)

セ・リーグ 阪神3-7広島

(8月10日 京セラD)
 鉄則…ではある。四球の直後。そして、絶好機での代打。「初球を狙うべし」とされる2つの状況が、阪神・新井の打席は重なり合っていた。しかし、それほど簡単に快音が出るものなのか。144キロをとらえた打球が三遊間を破り、2者が還った。3―4。虎の勝機が最大化した瞬間だった。

 敗戦に「何もないですよ」と言った後、「積極的に振っていこうと…」と打席に向かった心境を答えた。場面を振り返ろう。5回は、弟・新井良の代打安打からチャンスメークし、1死満塁からゴメスの遊ゴロでまず1点。5番・福留が荒れ始めた広島先発・福井の球をじっくり見て四球を選び、2死満塁となった。和田監督が坂への代打を告げる。打席に入る25番がついた背中が、ひときわ頼もしく見えた。

 マートンが休んだ5番で先発出場して2安打1打点と結果を出した前日9日と違い、ベンチスタート。まさに一振りで、そこまで鳥谷が2三振するなどナインが苦労させられていた福井の速球を打ち砕いた。今季、初球攻撃で打撃結果が出た時の成績は16打数10安打、打率・625。鳥谷・479、ゴメス・424、マートン・425という中軸3人の成績もなかなかだが、新井の数字はそれを大きく上回る。

 初球攻撃の中でも「代打時」に限定すれば、さらに凄い。これで7打数5安打、打率・714の1本塁打6打点。一撃必殺を体現している男は、直球に狙いを絞っていたのか?との問いに「真っすぐ…うん。そうね」とサラリと口にした。

 スタメンから外れたことについては「体はぜんぜん大丈夫ですよ」と話した。和田監督も「故障ではないから」と言い、的中したここ一番での代打起用を「こちらが意図したとおり。あそこで点を取っておかないと、後半キツくなるから」と振り返った。今季の満塁時成績にも触れておこう。これで8打数4安打、打率・500の1本塁打10打点。次の巨人戦では、この一打を勝利につなげる。 

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2014年8月11日のニュース