グラブ進化に歴史あり「ポジション別」は日本の発明品

[ 2014年1月23日 08:05 ]

ミズノのグラブ職人の坪田信義さん

 今年は日本プロ野球80周年のメモリアルイヤー。1934年、日本で最初のプロ野球選手が誕生し、同年12月に大日本東京野球倶楽部が設立して日本プロ野球の歴史が始まったのだ。

 その後、競技レベルはもとより、球場設備、道具などあらゆる面で野球は進化を遂げてきた。その中で、日本の「技術力」が世界に先んじて来た分野がある。それがグラブの開発力だ。ちょうど40年前の74年、ミズノ社が世界初の「ポジション別グラブ」の開発をスタートさせた。

 それまで、ミズノ社でもグラブは製造していたが、プロ野球選手が使用するのはほとんどが米国製の舶来品だった。そこでミズノ社は選手の要望を個別に反映する「オーダーメイドグラブ」を発案。巨人の高田繁、堀内恒夫、土井正三の3人から使っていないグラブを譲り受け、バラバラに分解して研究を重ねた。さらに他球団の選手からも要望を聞いているうちに、ポジションごとに同じような要望が多いことを発見。そこからポジション別グラブの発想が生まれたのだ。

 ミズノ社はこの「ポジション別オーダーメイドグラブ」の市場を広げようと、77年からMLBのキャンプ地をキャンピングカーでまわり続け、本場メジャーの選手たちからも好評を博すことに成功した。日本プロ野球史を振り返る上では、こうした「職人」たちの戦いにも目を向けるべきだろう。(スマホマガジン『週刊野球太郎』編集部)

 ▼『週刊野球太郎』(http:/yakyutaro.jp/)とは イマジニア株式会社ナックルボールスタジアムが配信するスマートフォンマガジン(auスマートパス、docomo SPモード、Yahoo!プレミアムで配信中)。この母体となるのは雑誌『野球太郎』。ドラフト関連情報はもちろん、ディープな記事に定評がある野球愛好家のバイブルともいってよい存在。現在、全国書店にて『野球太郎No.007~2013ドラフト総決算&2014大展望号』が発売中。2014年シーズンを占う一冊。また、来る2月17日には新趣向の媒体『別冊野球太郎<2014球春号>プロ野球呪いのハンドブック』が新発売となる。

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