ヤクルト 宮本の「愛情送球」秘話 上原流キャッチボールで誕生 

[ 2011年2月21日 08:21 ]

オリオールズ・上原のフォームをマネしてキャッチボールする宮本

 球界随一の守備の名手と称されるヤクルト・宮本慎也内野手(40)はゴールデングラブ賞を遊撃手で6回、三塁手で2回受賞している。グラブさばきが巧みなのは言うまでもないが、実は送球エラーが過去3年間で3個と極端に少ない。正確なスローイングを心掛け、オリオールズ・上原を模倣したフォームで毎日キャッチボール。基本中の基本練習が名人芸の源だ。

 浦添の地に、あの背番号19と見まがう選手が出現した。日本ハム戦が雨天中止となり、室内練習場での全体練習。宮本が体全体を大きく使ってキャッチボールを始めた。そのフォームは誰かに似ている。上原だ。

 「回転のいいボールを投げるには、投手のまねで投げるのが一番。上原はスピンがかかったボールを投げる。昔は内野手は小さく投げろと言われたけれど、(体を)大きく使わないと、小さく正確に投げられないから」

 コツは左肘を張って相手の方向に向け、右腕は体から遠く離れずに投げきることと、必ず相手の胸元へ届けること。その上で回転のいいボールを投げる。城石内野守備走塁コーチは「打球と衝突しない捕り方、判断力もいいけれど、一番凄いのはスローイング」と分析する。プロ16年間の失策自体も少ないが、送球エラーに限れば、昨季は2で、09年はゼロだった。スピンが利いたボールは捕球しやすいことに加え、仮にバウンドしても不規則に跳ねないために、捕球する側にとって思いやりのある送球になる。捕手の川本は「慎也さん(宮本)のボールは愛情ボール」と表現した。

 愛情ボールは、日々の上原流キャッチボールから生まれる。04年アテネ五輪の日本代表でチームメートとなり「体の使い方が理にかなっている」と着目し、ものまね練習を始めた。最近は同様の理由で阪神・藤川のフォームも導入し、工夫を凝らしている。

 宮本は「キャッチボールの意識を高く持たないといけない」と説く。名人芸を支える秘けつは、基本を毎日大切にする目的意識だ。

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