歯がゆい星野監督「去年や一昨年と一緒だろ!」初陣G倒ならずドロー

[ 2011年2月21日 06:00 ]

最後の守りに就く選手たちに「しっかり守れ」とげきを飛ばす星野監督

オープン戦 楽天1-1巨人

(沖縄セルラースタジアム那覇)
 早くも闘将モード全開だ。今季から楽天を率いる星野仙一監督(64)が20日、オープン戦初戦で巨人と激突。沖縄・那覇では88年の日本ハム―大洋戦以来23年ぶりとなったオープン戦は、打線が得点機を生かせず引き分けに終わったが、シーズンさながらの勝利へこだわる姿勢を随所に見せた。昨季、最下位に終わったチームを立て直すため、闘将は先頭に立ってゲキを飛ばす。

 勝ちにこだわるからこそ黙っていられない。初の対外試合となったオープン戦初戦は引き分け。試合後、星野監督はすぐに選手を集めた。貪欲に勝利を求めるスタイルは、オープン戦もシーズンも同じだった。

 「チャンスで1本出ないままでは、去年や一昨年と一緒だろ!来た球をただ打つだけではなく、考えて、工夫して打席に立て!」

 昨季のチーム得点はリーグワーストの576。好機での1本に加えて、犠飛や内野ゴロでも得点できない場面が目立った。「チャンスで打てないとは聞いていたけど、歯がゆかったね。きれいな点の取り方はしなくていい。相手が嫌がる野球をやっていかないと」。3回は同点に追いついて、なおも無死三塁で無得点。9回は1死満塁と勝ち越し機を迎えながら楠城が3球三振に倒れ、後続も凡退した。ベンチから身を乗り出していた闘将は思わず声を上げた。

 試合中でも構わずゲキを飛ばした。2回まで無失点ながら3四球を許した先発・栂野には「四球が多すぎる。打たれてもいいから勝負にいけ!」。消極的な失敗を最も嫌う指揮官の言葉に、右腕は3、4回を3者凡退に抑えた。さらに、8回終了時には捕手の伊志嶺を呼び「投手の球が1球でも高めに浮いたら、低く低くとジェスチャーしろ」と指示。試合前のミーティングで「オープン戦から常に勝つことを意識していこう」と選手に語った通り、勝利への意識を植え付けた。

 試合前はネット裏の来賓席で巨人・原監督と約20分間談笑したが、試合に入ると勝負師としてのスイッチが入った。楽天監督として臨んだ現役時代からの宿敵との初対決。中日監督時代は、就任1年目の87年から4年連続で巨人との公式戦初戦を負けている星野監督は「いつも巨人には負けから始まるが、引き分けた。進歩したのかな」とおどけたが、すぐに「でも、勝たないといかんな」と悔しさをにじませた。歴史の浅いチームの先頭に立って、勝利にこだわる姿勢を浸透させる。

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2011年2月21日のニュース