大抜てき内が力投!投手駒不足も信頼し続けた指揮官

[ 2010年11月12日 09:40 ]

 【検証 ロッテ下剋上日本一】開幕前のロッテの下馬評は低く、それはポストシーズン前も同様だった。先発ローテーションを守り抜いたのはエースの成瀬1人だけで、今季のチーム防御率4・10はリーグ5位。金泰均や新人の荻野貴、清田ら新戦力が活躍した攻撃陣は厚みが増したのに対し、投手陣は誰の目にも駒不足に映っていた。

 昨季までのエース・清水は横浜、守護神・シコースキーは西武、セットアッパー・川崎は阪神に移籍。荻野忠は右ひじ手術でシーズンを棒に振った。そんな中、西村監督は「欲を言ったらきりがない。今いる選手でやるしかない。やってくれると信じていますから」。そう繰り返した。大切なのは信頼。不調に陥っても、最終回は自ら新守護神に指名した小林宏に任せ続けた。
 小林宏だけではない。厳しい場面で起用し続けた伊藤や古谷が成長。10月9日、西武とのCSファーストS第1戦(西武ドーム)では同点の8回途中に内を投入。シーズン終盤からラッキーボーイとなっていた内だが、その試合は4点を勝ち越された。だが落ち込む25歳右腕を翌10日の第2戦でも同点の延長10回途中から起用。サヨナラ負けのピンチを脱するとともに自信も取り戻させ、内は以降12回1/3連続無失点とポストシーズンでの中継ぎの切り札となった。
 先発投手は大胆な抜てきも光った。前半戦はテスト入団の川越、2年目・香月らで谷間を埋め、負傷者が続出すると開幕当初は左の中継ぎだったマーフィーを自らの考えで配置転換。昨季は7人で固定した先発を、今季は11人起用してやり繰りした。普段は決して無理をさせないが、ソフトバンクとのCSファイナルS(ヤフードーム)ではエース成瀬を連続中4日で第1、6戦に先発させて突破。指揮官の信頼と決断が日本一につながった。(特別取材班)

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2010年11月12日のニュース