あとは長距離砲…アスレチックス松井獲り本腰

[ 2010年11月12日 06:00 ]

 ポスティング・システム(入札制度)で楽天・岩隈久志投手(29)の独占交渉権を獲得したアスレチックスが、エンゼルスからFAとなった松井秀喜外野手(36)の獲得へ本腰を入れる態勢を固めた。10日(日本時間11日)、ロイヤルズと2対1の交換トレードを成立させ、デービッド・デヘスス外野手(30)を獲得。残る補強ポイントは長距離砲だけとなり、FA市場の動向をうかがっているライバル球団を尻目に速攻勝負に出る。

 ア軍の動きは速かった。岩隈との独占交渉権獲得を発表した8日から2日後、先発5番手の若手右腕マザーロとマイナー1投手を交換要員に、獲得したのは巧打と堅守が売りのデヘスス。電話会見に応じたビーンGMは「彼の守備力と走塁が好きだ。毎日、外野の両翼のどちらかでプレーさせたい」と話した。
 今回のトレードは、30日間の独占交渉期間に入っている岩隈との契約成立を見込んだ措置。メジャートップクラスの先発5人が固まったことで、マザーロの放出が可能となった。さらに、同GMは「昨年の躍進は守備力によるもの。今後は長打力に目を向けていく」と続けた。名前こそ挙げなかったが、既に興味を示している松井獲りへ本格的にシフトする。
 ア軍は「2人の強打者」獲得を今オフの目標に挙げていた。デヘススは目下241試合連続無失策の堅守に加え、昨季は故障でシーズン最後の2カ月を棒に振ったものの打率・318をマーク。もっともメジャー8年間で自己最多本塁打は13本と長打力に欠けており、必然的に最後のピースは「長距離砲」となる。
 ア軍は岩隈の応札金として1500万ドル(約12億3000万円)前後を投資し、これに岩隈の年俸分も必要となる。ナショナルズからFAのダンら年俸1000万ドル(約8億2000万円)を超す大物FA選手獲得は予算的に厳しい。地元紙サンフランシスコ・クロニクル(電子版)も同日付で「岩隈も加入するし、松井が最適な人材だ」と候補として強く推した。
 岩隈応札からの迅速な動きで、松井獲得への足場は整った。移籍市場が本格的に動く12月6日からのウインターミーティング前の今月中にも、正式オファーに発展する可能性も出てきた。

 ≪GM 岩隈との交渉成功を願う≫ビーンGMは岩隈との交渉について「交渉が成功し、チームがいい形になることを願っている」と語った。マザーロ放出で、30日間の独占交渉期間内に岩隈との契約を成立させる必要性がさらに増した。ファンサイトでは早くも岩隈の球種紹介をするなど、注目度は高まっている。

続きを表示

2010年11月12日のニュース