「晩年」に差し掛かった松井秀「そこで本当の姿が出る」

[ 2010年10月5日 16:51 ]

シーズンを終え、取材に答えるエンゼルスの松井秀喜外野手

 米大リーグ、エンゼルスの松井秀喜外野手(36)にとって新天地での1年は不本意なものだった。4日、いまの心境と今後の展望を語った。

  ×  ×  ×  
 ―2年ぶりにプレーオフを戦えない。
 「勝つことを一番の目的として力になるために来た。だからヤンキースから移籍して良かったとは思えない。本当は、さあ、これからだとなっていたはずだった」
 ―後半は出番が減り、「代打の代打」も経験。
 「けがをしてからは絶対的な信頼を得られる選手ではなくなった。実績のある選手が“晩年”にそうなるのを見てきた。(現巨人監督の)原さんだってそう。ふてくされるか、黙って出番を待つか。そこで、その選手の本当の姿が出る」
 ―左ひざ痛で昨季は1度もなかった外野守備が今季は18試合。
 「守れる体だと分かったのは収穫。春先まで普段の生活でひざが抜けるように感じることもあったが腫れもなく、水を抜くこともなかった。感覚的には昔に戻ってきた」
 ―ひざの回復と8月半ばからの好調の関係は。
 「ひざを気遣う必要が減った分、気持ちが前に行くところがあったかもしれない。心や体、いろんな意味でバランスが良くなれば投球への対応力が上がる。来季への期待感はある」
 ―残留を望むか。
 「現時点では何も考えていない。去年はヤンキースに残りたかったが、オファーがなかった。去年のような愛着を感じているかは分からない」
 ―球団首脳は契約は流動的としている。フリーエージェント(FA)になる可能性も高い。
 「FAになれば気持ちをゼロにして考える。勝利のために自分がプレーできる球団であれば、どこでもいい。金額的なことは全然関係ない」
 ―来季はプロ19年目。
 「頭と動きがかけ離れたら無理でしょうが、まだまだやれるとは思っている。体が衰えても成績が下がるとは思っていない。昔はメジャーで10年とか40歳までとか思ってきたが、近づいてきてからは1年区切りでやってきた。自分の居場所は自分でつかむしかない」(共同)

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2010年10月5日のニュース