イチロー、史上最多タイ締め「ごちそうさまです」

[ 2010年10月5日 06:00 ]

今季を214安打で終えたイチロー

 【マリナーズ3-4アスレチックス】マリナーズのイチロー外野手(36)は、マルチ安打で今季を締めくくった。アスレチックス戦で5回に同点左翼線2点二塁打、8回には今季214安打目となる中前打。5年連続のリーグ最多安打を獲得し、通算7度目の両リーグ最多安打はタイ・カッブ(元タイガース)、ピート・ローズ(元レッズ)に並ぶ大リーグ記録となった。

 「ごちそうさまです。僕は幸運な男ですから。でもその運は野球で使うようにしてますけどね」
 長く孤独なシーズンからようやく解放された。優勝候補に挙げられたチームは2年ぶりに101敗(61勝)を喫し最下位。今季途中には親友グリフィーが引退し、ワカマツ監督は解任された。「期待してもらっていたわけですから。ファンの人には本当に申し訳ない」。早々に自身の記録と向き合う日々は厳しく「“疲れた”って何百回言ったかね」と、たまったストレスは計り知れない。
 ただ、最後までファンが望む姿であり続けた。10年連続で球宴に出場し、9月23日に前人未到の10年連続200安打を達成。「このチーム状況なら、それはもう絶対しなくてはいけないこと。そこは最低の最低じゃないですか」。メジャー10年目で初の全162試合先発出場も果たした。これは今季両リーグ唯一で、36歳のシーズンでは史上6人目。スター選手という意地と責任感から毎試合グラウンドに立った。
 苦しかったが、200安打を達成した時も温かい拍手を送ってくれた同僚たちは支えになった。「(2年前と)同じ勝敗でもストレスは全く違う。どんなチームメートと過ごすかは大切なこと」。全力で2010年を完走したイチローは、安どの笑みを浮かべた。

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2010年10月5日のニュース