松井、惜別弾!?移籍確実、日本球界復帰は…

[ 2010年10月5日 06:00 ]

試合後、ファンに手を振ってグランドを去る松井

 【エンゼルス6-2レンジャーズ】大リーグは3日(日本時間4日)、レギュラーシーズン全日程を終了。今季限りで1年契約が切れるエンゼルスの松井秀喜外野手(36)は、レンジャーズ戦でチームを勝利に導く21号2ランで締めた。7年間在籍したヤンキースを退団して選んだ新天地だが、前半戦の不振が響き、打率・274、21本塁打、84打点で終了。チームも4年ぶりにプレーオフ進出を逃した。早ければ11月6日(同7日)にFAとなるのは確実で、そのまま退団、移籍が濃厚だ。

 これが赤ゴジラ最後の雄姿か。「惜別弾」が一直線に右翼席へ突き刺さった。4回2死二塁、元広島・ルイスの内角球を叩き、9月16日以来、出場14試合ぶりとなる21号2ラン。表情を変えずに淡々とベースを回った。7回には右前打し、打率は昨季と同じ・274。あと1安打に迫った日米通算2500安打は来季へと持ち越し、松井の2010年が幕を閉じた。
 「残念な1年でした。一言で言うとね。勝利に導くのを期待されて来たわけですから。全く力になれなかった。ここ1カ月半ぐらいはいい状態で打席に立てたが、遅かった」。西地区の常勝軍団が4年ぶりにプレーオフ進出を逃したという現実が両肩にのしかかった。
 ワールドシリーズMVPという看板を引っ提げ、「4番として全試合に出場してほしい」というソーシア監督の口説き文句に移籍を決断した。4番で開幕弾を放ち、華々しくスタートを切ったが、5月以降は不振が長引いた。8月に入るとチームは来季を見据えた若手起用に方針転換し、出番は減った。自身の成績については「チームが勝っていたら決して悪くないと思えたでしょうが、この結果ではいいとは言えない」と唇を結んだ。
 今季限りの1年契約。エ軍はワールドシリーズ終了から5日間は松井との独占交渉権を持つが、この間に再契約交渉を行う意思はなく、早ければ11月6日にFAとなる。球団は今オフにFAとなる俊足強打の外野手クロフォード(レイズ)の獲得を画策中。補強の結果次第では残留オファーを出す可能性もあるが、優先順位は高くない。松井も移籍を覚悟しており「来年は全くの白紙」と強調。日本球界復帰については「考えてないです」とあらためて否定した。
 昨オフは外野手再挑戦、そして何より自分を必要とするチームでプレーすることを優先して移籍先を選んだ。「そういうチームがあるといいですけどね」。松井は不完全燃焼に終わった赤いユニホームを脱ぎ去り、寂しく厳しい秋を見据えた。

 ▼エ軍・ソーシア監督 終盤は猛打を見せた。成績は予測していた数字にとても近い。打撃にムラがあったが、スイングは鋭く、ひざの状態も良かったのでよく走った。

 ≪移籍先、早期決着も≫松井とエンゼルスの独占交渉期間は、ワールドシリーズ終了翌日から5日間。以降はエ軍を含めたメジャー全30球団との交渉が可能となる。今年から独占交渉期限や各選手の保有選手確定期限などが、いずれも10日間前倒しになることが決定。昨年のエ軍との契約合意は12月15日だったが、移籍先決定も昨年より早期決着となる可能性はある。

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2010年10月5日のニュース