マートン 手袋、グリップにこだわりも

[ 2010年10月5日 19:15 ]

 プロ野球シーズン最多安打記録を更新した阪神・マートンの偉業は打撃技術に加え、プレーに真摯に取り組む姿勢も要因に挙げられる。

 その一つが打撃用手袋に垣間見える。真新しいものではなく、長く使い込んだものを使用。試合前に数枚の打撃用手袋をハンガーにつるし、ベンチに干す姿は恒例の姿となった。1試合で1枚使う選手もいる中、シーズンで数枚の手袋を使い回し、手とバットになじませる努力を続けている。
 また、バットのグリップ上部に松やにとグラウンドの土を念入りに塗り込むのも試合前の大切な準備の一つ。左手はしっかり握るために松やにをつけるが、右手は「バットがすぐに手から離れるようにするため」と、グリップ上部に触り、微妙な調節を繰り返す。打撃の「職人」ならではの繊細な感触へのこだわりだ。
 また、精神的に安定していることも記録達成につながった。自らが活躍して勝った試合後も、負けた直後も冷静に報道陣に対応し「ベストを尽くす。チームの勝利に貢献する」という発言を貫く。興奮やいら立ちをあらわにすることはほとんどない。平常心を継続することで、安定したパフォーマンスを発揮できた。

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2010年10月5日のニュース