中大・沢村、復活!10回16K完封

[ 2010年9月22日 06:00 ]

<中大・亜大>10回を投げ切り、亜大打線を零封した中大・沢村

 東都大学野球秋季リーグ戦第3週第1日は21日、神宮球場で行われ、MAX157キロ右腕で今秋ドラフト1位候補の中大・沢村拓一投手(4年)が、亜大1回戦に先発。延長10回を3安打16奪三振の力投で1―0の完封勝利を挙げた。右脇腹を痛め、今夏の世界大学野球選手権は辞退したが、ネット裏で見守った国内12球団のスカウトに完全復活を印象づけた。また第1試合は東洋大が国学院大を2―0で下し、先勝した。

【試合結果


 よほどうれしかったのだろう。0―0の延長10回。沢村は、サヨナラ本塁打を放った井上晴を最前列で待ち受けた。
 「ここまできたら負けちゃいけないと自分に言い聞かせてました。(好投が)報われた感じがします」
 亜大の2年生エース・東浜との手に汗握る投手戦。年下ながら互いに認め合う東都のライバルだ。「投げ合ってみてさすがだな、と思った」。大量点は期待できないとあって序盤から飛ばした。MAX155キロの直球に140キロ台中盤のフォークとスライダーをバランスよく散りばめた。7回からの5連続を含む自己最多の16奪三振。直球と変化球で8三振ずつ奪うなど、最後まで打者に的を絞らせなかった。
 右脇腹を痛め、今夏の世界大学野球選手権の出場を辞退。しかし、リハビリの間も野球から逃げなかった。「オフも全部体のケアに当てました。女の子と遊びたいとか買い物したいとか思わない」。じっくりと自分と向き合った結果、投球フォームの修正を決意。「今までは100の力で投げてましたが、足を上げた時にゼロになるぐらい力を抜いた」。その結果、春はバットに当てられていた直球が、空を切らせるまでに進化した。
 ネット裏で見守った巨人の山下スカウト部長は「今までで一番良かった。他球団の評価も上がるんじゃないか」と大絶賛。MAX157キロ右腕が、ドラフトを前に自らの評価をグッと高めた。

 <最多記録は18K>東都大学リーグの1試合最多奪三振記録は、日大の門奈哲寛(元巨人)が92年秋に、同じく日大の堤内健(元横浜)が02年秋にマークした18奪三振。延長戦を含む参考記録としては、東洋大の松沼雅之(元西武)が78年秋に22奪三振、02年秋に亜大の木佐貫(現オリックス)が19奪三振を記録している。

 ▼中大・井上晴(延長10回にサヨナラ本塁打)沢村さんにバットで返さないといけないと思ってました。直球1本に絞って自分が決めるつもりでした。

 ▼阪神・中尾スカウト きょうが1番いい。力みが抜けていい球がきてる。足を上げたときに体が沈み過ぎず、楽に投げている。

 ▼楽天・後関スカウト 素晴らしいのひと言。彼の良さは球うんぬんより、気持ちじゃないですか。勝ちたいという気持ちがひしひしと伝わってくる投手。

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2010年9月22日のニュース