阿部、気迫のヘッド!巨人5連勝で2位浮上

[ 2010年9月16日 06:00 ]

<ヤ・巨>6回1死一、三塁、中堅に先制適時打を放ち二塁に頭から滑り込む阿部(左)

 【巨人5―2ヤクルト】主将の感情がほとばしったプレーが巨人打線に火をつけた。0―0。ベンチ前で円陣を組んだ直後の6回だ。1死一、三塁で阿部が右中間突破の当たりで二塁に頭から突っ込む。4点奪取につながる先制点を叩き出し「思わずヘッドスライディングしちゃったよ」と照れくさそうに笑った。

 卓越したミート力でさばいた。試合前のミーティングの指示は「(由規の)速球に合わせるつもりで変化球がきたら空振りも仕方ない」。しかし打ったのは外角高めの140キロフォーク。初回に左飛に仕留められた同じ球にきっちり対応した。
 神宮でのヘッドスライディングは因縁がある。リーグ連覇を決めた08年10月10日ヤクルト戦。二塁走者でけん制球に帰塁した際、頭から戻って右肩関節を挫傷。日本シリーズもフル出場はできなかった。そんな悪夢も忘れるほど、阿部は無我夢中でプレーしていた。
 主将として、捕手として。崩壊状態の先発陣にも心を痛めていた。普段は練習中も笑顔を絶やさない男は、8月31日のヤクルト戦(金沢)の試合前に感情を爆発させた。フリー打撃で納得できない当たりが続き「くそ!」「ちくしょ!」とバットを叩き付けた。責任の重さを痛感するからこそのいらだち。先発陣はこの日で3試合連続白星。「内海はやっと落ち着いた投球ができるようになった」と投手陣の復調を何より喜んだ。
 今季3度目の5連勝で阪神を抜き2位に浮上。「あしたがもっと大事。負けて大阪に行くのと、勝って大阪に行くのは違う」。攻守の要の眼光は試合後も鋭いままだった。

 ▼巨人・エドガー(6回1死満塁で走者一掃の左中間二塁打。満塁機は12打数5安打で打率・417、15打点)直球で攻めてくると思った。満塁だと集中できる。

 ▼巨人・矢野(9回に代打で貴重な追加点となる2号ソロ)直球に体が反応しました。ファームにいる時から先発でも代打でも1打席1打席に集中することを心掛けていた成果です。

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2010年9月16日のニュース