イチロー 松坂討ちで2つの記録へ加速

[ 2010年9月16日 06:00 ]

<マリナーズ・レッドソックス>5回無死一塁、松坂から左中間二塁打を放つイチロー

 マリナーズのイチロー外野手(36)が14日(日本時間15日)のレッドソックス戦で、松坂大輔投手(30)から3打数2安打1打点1四球。今季2度目の直接対決に完勝した。5回の左中間適時二塁打に続いて、7回の中前打で松坂をKO。9回も右前打を放ち22試合ぶりの1試合3安打で、日米通算3500安打にあと3本、10年連続200安打へ残り11本とした。松坂討ちで勢いづいたイチローのカウントダウンが、いよいよ始まった。

【試合結果


 【マリナーズ6―9レッドソックス】イチローは一塁ベース上から、マウンドを降りる松坂の背中をじっと見つめた。同点の7回、先頭打者として中前打を放った。自らのバットでKOに追い込んだ。
 「(ほかの投手より)打ち取られれば悔しいし、打てばうれしい。(松坂が不調でも気持ちは)変わらない。関係ない」
 2打席目の四球後に二盗成功。5回の左中間二塁打、そして7回の安打と3度の出塁はすべて生還して松坂を追いつめた。4打席計13球は直球とカットボールだけ。2安打はともにファーストスイングで的確にとらえた。9回はレ軍守護神パペルボンに2ストライク1ボールとされながら、フルカウントまで粘って右前打。松坂相手に研ぎ澄まされた集中力で22試合ぶりの3安打、そして07年9月9日以来の1試合4得点につなげた。
 前回対決した7月25日のデーゲーム。試合開始2時間半以上前の午前10時半にフィールドに立った時、すでに松坂が始動していた。そして、今回は3日連続でブルペン投球を行ったのも知っている。イチローは「以前は(そういう調整を)許してくれなかったんじゃないですか。でも、チームが許してることが、実績を積み上げてきたという感じがする」と言った。ただその日の試合、対戦だけを見据えて野球と向き合っているわけではない。それが分かるからこそ、イチローは松坂を認める。「何か使命を持ってそこにいるというか。マウンドにいるだけじゃなしに、最近の雰囲気とか言ってることとか、そういうのがいいなと思う」と続けた。
 野手と投手の立場は違うが、球界をリードする意識は一緒だ。30歳という年齢を迎えた松坂は「選手寿命のピークは近年遅くなっている。さらに伸ばせるように努力したい」と語る。イチローは年齢への固定概念を覆そうと自分を律してきた。だからこそ松坂との対決に「やられた時でも、ちょっと気持ちよさもある」と付け加えた。
 日米通算3500安打にあと3本と迫り、15日(日本時間16日)にも、大台に到達する。10年連続200安打には残り11安打。松坂から放った2安打は金字塔への推進力となる。

 ≪盗塁数で柴田に並ぶ≫大リーグで3500安打以上マークしている選手は、歴代最多の4256安打を放ったP・ローズ(レッズなど)を筆頭に過去5人。また、イチローはこの日2盗塁を決めてメジャー2年ぶり4度目の40盗塁に王手をかけるとともに、日米通算579盗塁とし、日本人歴代3位の柴田勲(巨人)に並んだ。

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2010年9月16日のニュース