マエケン、投手3冠へ視界に…期待に応え153球完投

[ 2010年9月16日 22:41 ]

 【広島5―3中日】初のタイトル獲得が懸かる前田健のマウンドは、Bクラスが決まった広島のファンに残された数少ない楽しみだ。その期待に応えるに十分の、153球の力投。最後は1球ごとに沸き上がる歓声を背に、3失点完投でリーグトップの14勝目をつかみ取った。

 投げ合う相手は1差で最多勝を争う吉見。「吉見さんに勝ちが付いたら並ばれる。そうならないように」。10安打され、毎回のように走者を背負った。だが22歳の右腕は大量失点しない。窮地でこそ力を発揮する投球術はこの夜も健在だった。
 前田健は「ピンチの時にこそ、ギアが一段上がる」と言う。その言葉どおりに、1点リードの六回1死満塁のピンチは直球で押して切り抜けた。同点とされた七回2死一、二塁も、ブランコを中飛に打ち取って勝ち越しを許さなかった。
 防御率2・25と、この試合で七つ上積みした奪三振156もリーグトップ。「ことしは悔しい順位になったけれど、僕は最後まで必死に投げる」。そう語る視線の先に、投手部門の“リーグ3冠”をしっかりととらえた。

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2010年9月16日のニュース