「大事に」が負の要素に…持ち味消えた由規

[ 2010年9月16日 06:00 ]

<ヤ・巨>6回に4失点しベンチに引き揚げる由規

 【ヤクルト2―5巨人】降りだした雨が契機だった。自己2番目の球速となる159キロを計測するなど、快投していたヤクルト・由規が突然捕まったのは6回だ。1死一、三塁で阿部に、満塁からエドガーに二塁打を浴びた。

 4長短打で4失点。突然の乱調に、由規は「ここぞというとき、しっかりコントロールできなかった」と言った。原因は意識の問題にある。
 大事な試合。0―0で回が進み、余計に「大事に行かないと、と思って投げた」という。その上に降雨。ボールが滑るなど直接的な影響はなかったが、雨の中で「しっかり投げようと意識したのは確か」。大事に、慎重に…。それが力で押す快速右腕には負の要素となった。いつもの強い腕の振りが鈍り、速球で押し込めない。阿部にチェンジアップを呼び込まれると、エドガーには直球を完ぺきに打たれた。球速は154キロでも、普段の威力ではなかった。
 「5回まで凄かったけど、もったいない」と小川監督代行。どんな条件下でも普段のボールを投げる。由規が越えなければいけない壁が明確になった6回だった。

 ≪打線組み替えも…自力CS消滅≫ヤクルトは、打線の組み替えも勝利には結びつかなかった。不振打開へ2番に宮本を起用し、飯原、畠山の3、5番を入れ替えるなどしたが、内海の前に畠山の2ランだけ。淡口打撃コーチは「内海の外の変化球にやられた」と振り返った。これで借金1となり、自力でのクライマックスシリーズ出場の可能性が消滅。小川監督代行は「あしたはガラッと(試合内容が)変わるかもしれないし」と小さな声でつぶやいた。

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2010年9月16日のニュース