黒田が流れ変えた!鳥栖中 初代王者!

[ 2010年3月30日 06:00 ]

<鳥栖中クラブ―常葉橘中学校クラブ>鳥栖中クラブは優勝の瞬間、渡辺捕手と抱き合う黒田投手(中央)

 スポニチ主催・文部科学大臣杯第1回全日本少年春季軟式野球大会ポカリスエット・トーナメント最終日は29日、2会場で準決勝と決勝が行われ、決勝は鳥栖中クラブ(佐賀)が地元・静岡の常葉学園橘中学校クラブ(開催地)を8―5で下して優勝。全国30チームによる「中学生の春の甲子園」としてスタートした今大会の初代王者となった。

 歓喜の輪の中心にいたのは意外な男だった。鳥栖中クラブの背番号16、黒田和希(3年)の大きな体が胴上げで宙を舞う。「橋村(省吾=3年)がいなかったので、その分も投げなければと思った」。チームを頂点に導いた「第3の投手」は感激に浸った。
 準々決勝で背筋を痛めたエース橋村を欠き、決勝は松永直樹(3年)が先発。だが、3回までに5失策と守備が乱れ、0―4と敗戦ムードが漂っていた。「流れを変えたい」と、音成(おとなり)耕治監督(36)が3回途中から起用したのが黒田だった。
 「緊張したけど、準備していた」という黒田は1メートル70、85キロの体格を生かした速球で、5回を無安打無失点。打線は6回に6安打を集中して同点に追いつくと、無死満塁からの特別ルールで行われた8回に一挙4点。その裏、黒田が相手の反撃を1点に抑えた。
 黒田の脳裏に焼き付いている試合がある。07年夏の甲子園準々決勝。優勝候補の帝京と対戦した佐賀北は延長13回、2死から3連打でサヨナラ勝ちし、その勢いで初の頂点に立った。当時、テレビで見ていた少年は「何が起こるか分からない」と、郷里の先輩に負けない劇的な試合を演じた。
 地元のシードチームを倒しての優勝。音成監督は「本当は夏の横浜(全日本少年軟式野球大会)を目指していたんです。連覇が目標になりました」と早くも次を見据えていた。

 ▽準決勝(四ツ池公園浜松球場)
常葉学園橘中学校クラブ(開催地)
000 011 0―2
000 000 0―0
今帰仁中学校クラブ(沖縄)
 (常)高橋―綾部
 (今)山城大、平良―仲里正
 ▽同(明神池運動公園浜北球場)
埼玉NORTH(埼玉)
001 000 0―1
002 013 X―6
鳥栖中クラブ(佐賀)
 (埼)槙村、関根、勝山―長原
 (鳥)黒田、松永―渡辺

 ▽決勝(四ツ池公園浜松球場)
鳥栖中クラブ(佐賀)
000 004 04―8
004 000 01―5
常葉学園橘中学校クラブ(開催地)

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2010年3月30日のニュース