“弱肩”野本 堅実返球で流れ引き寄せた!

[ 2009年10月20日 06:00 ]

<中・ヤ>5回2死一、二塁、田中浩の右前打で、右翼・野本はニ塁走者・畠山をアウトにする

 【中日7-4ヤクルト】試合の流れを確実に引き寄せた。中日のCS第2ステージへの道を切り開いたのは新人・野本の堅実プレーだった。

 「ここ一番で刺せるように練習をしてきた。ワンバウンドならもっと良かったけど、コースだけはしっかり投げた」。1点リードの5回2死一、二塁から田中の右前打。二塁走者は足が速くない畠山だったが、右翼は強肩でない野本とあって三塁を蹴った。正確な返球ができればアウトのタイミング。野本は“ボールの強さ”よりも“コースの正確さ”を第一に考えて、ツーバウンドで捕手・谷繁のミットにストライクを投げ込んだ。野本にとってプロ初補殺が流れを引き戻した。

 右翼は今季唯一、レギュラー不在だったポジション。期待されながら肩の弱さで定位置をつかめなかった野本だが、外野手は肩の弱さを捕球から送球までの速さと送球の正確さで補える。「送球がシュートする」という誤差も計算した上でのストライク返球に、笘篠外野守備走塁コーチは「肩をすぐに強くするのは無理。練習してきた正確な送球を大一番で出してくれたね」と喜んだ。

 負ければ終わりのCS第3戦。右翼・野本が見せたプレーはチーム力の向上も表していた。

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2009年10月20日のニュース