黒田ボコボコ2回途中6失点KO…次回白紙

[ 2009年10月20日 06:00 ]

<フィリーズ・ドジャース>初回、ワースに中越え二点本塁打を浴び、がっくりの黒田博樹、後方は一塁ベースコーチとハイタッチするワース

 【ドジャース0-11フィリーズ】ドジャースの黒田博樹投手(34)が18日(日本時間19日)、フィリーズとのリーグ優勝決定シリーズ第3戦に先発。初回に4連打で4失点するなど大乱調で、メジャー自己最短となる1回1/3で6失点KOされた。首痛から中19日での復帰登板となったが、生命線である制球を整えることができなかった。これでチームは1勝2敗。黒田のポストシーズン次回登板も白紙に戻った。

【試合結果


 試合後の会見。黒田の目は心なしか潤んでいた。2回途中、わずか39球での降板。「凄く悔しい。マウンドに上がった以上は結果が求められる。自分の投球に入る前にやられてしまった」と唇をかんだ。

 試合開始と同時に「Beat LA(ドジャースを倒せ)」の大合唱が巻き起こる敵地で、いつもの制球力は影を潜めた。打たれた6本の長短打はすべてストレート、カットボール、ツーシームの直球系。フ軍マニエル監督は「打席で我慢強く待ち、追い込まれるまでは変化球に手を出さなかった」と明かした。2年間で黒田はフ軍に対して2勝0敗、防御率1・44。抜群の相性を誇ってきたが、ボールが先行したことで相手の術中にはまった。黒田は「相手が研究してくるのは当然。カウントを整える変化球でストライクが取れずに、自分のイメージと違う配球になって苦しくなった」とうなだれた。

 首痛の影響で、9月28日以来のメジャー登板。ド軍のコンテ・トレーナーは「このシリーズに間に合わせるには、トーリ監督がローテーションを決める14日までに、実戦で投げる必要があった。ギリギリのプランだった」と言う。当初は完治まで6週間と見込まれていたが、13日のアリゾナでの練習試合で実戦復帰するなど調整を急いだ。一時は寝返りがうてないほどで、理学療法士の1日数度にも及ぶ治療で間に合わせた。
 黒田は本来なら第7戦(24日)に先発予定だったが、トーリ監督は「もう一度ブルペンで投げるところを見たい」と明言を避けた。それでも黒田は名誉ばん回の舞台が訪れることを信じ、「しっかり気持ちを切り替えて、チームの力になれるようにしたい」と雪辱を誓った。

 <フィリーズ ハワード7試合連続打点!>11安打11得点の圧勝劇を呼び込んだのは主砲ハワードだった。初回1死一、三塁。黒田の真ん中低めのカットボールを右翼線へ運ぶ先制2点三塁打を放った。
 「昨年の世界一の経験があって、今年はリラックスして試合を楽しめている」。これで地区シリーズから7試合連続打点となり、単一年でのポストシーズン新記録を樹立。28、32年のワールドシリーズでルー・ゲーリッグが達成した8試合連続にもあと1と迫った。「今は本塁打を狙う必要はない。辛抱強く見ることを全員が実践している」という主砲の言葉通り、打線はつながった。初回に中越え2ランを放ったワースも「みんなが同じ方向を向いて、チームが立てたプラン通りのことをやっている」。昨季世界一の自信に結束力が加わったフ軍が世界一連覇に向けてひた走る。

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2009年10月20日のニュース