帝京爆勝!24点で2年ぶり甲子園切符

[ 2009年7月30日 06:00 ]

<都雪谷・帝京>決勝戦で、24-1という大差がついたが、両軍ナインが握手を交わす

 第91回全国高校野球選手権大会(8月8日開幕、甲子園)の地方大会は29日、決勝10大会を含む19大会27試合が行われた。東東京大会では帝京が都雪谷を24―1で下し、2年ぶり11度目の出場。決勝での得点差としては東西東京に分かれる以前の36年の早実に並ぶ東京史上最多タイの大差となった。

【29日結果


 【東東京・帝京24-1雪谷】完膚なきまでに叩きのめした。24―1。東京の決勝史上最多の25安打に加え、73年前に早実が記録した最多得点差に並ぶ記録的大勝劇。両手を腰に当てベンチ前に出てきた前田監督の表情は誇らしげだった。

 「都雪谷は勢いがありましたから“とにかく前半で勝負を決めろ”と言いました。力はあるけど下手くそなチームがこの大会で伸びました」

 思惑通り、序盤で決めた。初回にいきなり打者11人の猛攻で6点。その後も2回に2点、4回に3点…。それでも最後まで手綱を緩めなかった。何と19―0で迎えた7回1死三塁では金子のスクイズで20点目をもぎ取った。「20点、30点取っても僕は慎重ですよ。先のことを考えれば雑な野球は禁物」。中盤以降は甲子園での戦いを視野に入れながらの戦いだった。

 聖地での痛い思いが指揮官を変えた。06年の準々決勝・智弁和歌山戦では4―8の9回に8点を奪いながら、その裏に5点を返されサヨナラ負け。07年の準々決勝・佐賀北戦でも延長13回2死走者なしからサヨナラ負けを喫した。「1度緩めると、また(流れを)持ってくるのに時間がかかるんです」。だから何点取っても全力を尽くした。

 打線ばかりではない。最速148キロを誇るエースの平原にとっても点差は関係なかった。「エース番号をもらっているので最後まで投げるつもりでした」。鈴木、山崎の2年生投手がブルペンで用意する中、準決勝に続き最後までマウンドを渡さなかった。

 つなぐ打線に柱のそろった投手陣。前田監督は過去のチームと比較しながらこう話す。「面白いね。投手も3人いるし。95年?あのときより打つポイントがいいよ」。甲子園で優勝した95年よりも強いチームが出来上がった。

 ≪出場全員の25安打≫打線が平原、有賀の2発を含む出場全員安打となる25安打24得点と打ちまくった。中でも8番・有賀ナビルは4回の左越え2ランを含む4打数4安打6打点。ガーナ人の父を持ち、50メートル6秒0の俊足を誇るが、初戦の墨田工戦で4打数1安打に終わって以来、ベンチを温める日々が続いていた。「競争が激しいけど甲子園に向けて監督にもいいアピールができた」とうれしそうだった。

 <都雪谷 坂本力尽く…>6連投のエース坂本が力尽きた。打たれても打たれても歯を食いしばって投げ続けたが、7回20失点。8回からは戸津にマウンドを譲り左翼の守備に就いた。それでも今大会853球を投げた左腕は「途中から開き直って投げました。体力的につらかったが決勝のマウンドを経験できてよかった」と涙を流すことなく淡々と振り返った。相原監督は「東京では帝京に勝たない限り、甲子園に常に行くのは難しい。その課題を前田監督から教えていただいた」と謙虚に話した。

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2009年7月30日のニュース