オレ流に考えれば“大敗”は傷が小さい

[ 2009年7月30日 06:00 ]

<巨・中>初回、先制点を奪われマウンドで谷繁(右)と話す朝倉

 【中日1-11巨人】さっぱりした落合監督の表情がすべてを物語っていた。コーヒーを手にした帰りの通路。敗戦の弁も短くて明快だ。

 「非常に分かりやすいゲーム」。そして間髪入れずに「以上ッ、終わり」と質問を遮った。

 一方的な流れにしてしまったのは初回。今季巨人戦初先発の朝倉が2死二塁から5連打で6点を失った。ただ、森投手コーチは「巨人戦で使えないことを自分で証明したってこと」。対巨人テストの意味合いを含む起用で、結果も計算ずくだったことを示唆した。

 現時点で先発6番手の朝倉。この日は中8日の中田、中7日の小笠原も選択肢にはあった。森コーチは「他に誰がいるんだ?」と言ったが、相手は今季2戦2敗のゴンザレス。その2敗はいずれもチェンだった。加えて週末はヤクルトとの3連戦。巨人を遮二無二倒しにいくのはまだ早い。だから森コーチは「中継ぎは2人しか投げてないし、捨てたと思えばいいんじゃない」と言い、落合監督は8点差の6回で和田、谷繁のベテラン2人をベンチに下げた。

 1敗は1敗。それがオレ流だ。「勝つのは1点差、負けるのは大敗でいい」。いつもの言葉を地でいく大敗だった。

 そんな含みのあった先発・朝倉を巨人は着実に攻略した。初回。無死一塁で送りバントを失敗した松本が小笠原の打席で二盗を決めた。失敗すれば2死無走者。そのリスクを冒しても動いた原監督は「今のうちの戦い方ということですよ」と言った。朝倉にリズムをつかむきっかけを与えなかったことで生まれた2死からの5連打。「流れを変えた価値ある6点」はその後の3発5点の追加点にもつながった。

 4発11点での大勝。もしかしたら、巨人本来の一発攻勢が“オレ流の1敗”の中で唯一計算外だったかもしれない。

≪大敗も…ブラ砲2戦連発!30号1番乗り≫中日のブランコが大敗の中でも、圧倒的な存在感を見せつけた。2回の第1打席で2試合連続となる左越えソロ。今月9本目の本塁打でリーグ30号1番乗りを果たした。「バットの先だったけど、何とか入ってくれて良かったよ」。6回の打球もあとひと伸びでフェンスオーバーという大きな中飛。敗戦の中でもそのパワーをしっかりと印象づけた。

続きを表示

2009年7月30日のニュース