岡本監督「楽しかった」聖望学園6年ぶり夏切符

[ 2009年7月30日 06:00 ]

<聖望学園ー埼玉栄> 甲子園出場を決め、スタンドにダッシュする聖望学園ナイン

 【埼玉・聖望学園3-2埼玉栄】8回聖望学園攻撃中のベンチ裏。疲れ果てたエース・佐藤を岡本監督が鼓舞した。「まだ握力はあるよ。頑張れ!」。奮起した左腕は9回を3人で抑え9安打2失点完投。6年ぶりの夏切符をもたらした。「今大会は楽しかった。監督だけどベンチで応援していた」。どん底からはい上がったナインを岡本監督は頼もしそうに見つめた。

 昨春センバツ準優勝も夏の南埼玉大会で初戦敗退。センバツで慢心したように見えたナインを指揮官は4月上旬に1週間見放した。それでも主将・子安から「監督の指導を受けたい」と懇願され、指導を再開した。8回の佐藤へのゲキも試合途中に子安が「佐藤で最後まで行きたい」と主張したからだった。

 信頼感を深め勝ち取った3度目の夏。「挑戦者のつもりで戦う」と子安。失うものがないナインは03年の8強超えに挑む。

  <埼玉栄 細淵監督「甲子園は近そうで遠い所」>埼玉栄は、終盤の追い上げも実らず11年ぶりの聖地を逃した。今大会7試合すべて先発の島野が2回に3連打にボークなどで崩れ3失点で降板。この失点が重くのしかかった。それでも昨年9月から指揮を執る細淵監督は、80年代に日立製作所などで投手として6度都市対抗に出場し、その後ソフトボール女子日本代表も率いた手腕を発揮。「選手は力以上のものを出した。甲子園は近そうで遠い所」とすがすがしい表情だった。

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2009年7月30日のニュース