延長13回死闘制し慶応46年ぶり夏

[ 2008年7月28日 06:00 ]

<東海大相模・慶応>引き上げる東海大相模の大田(手前)を横目に歓喜する慶応ナイン

 第90回全国高校野球選手権大会の地方大会は27日、3大会で決勝戦が行われた。北神奈川大会では慶応が東海大相模との延長13回の死闘を制し、46年ぶり17度目の夏の甲子園出場を決めた。東東京大会は関東一が14年ぶり、南大阪大会は近大付が15年ぶりに代表の座をつかんだ。また、この日で55代表校が出そろった。大会は8月2日、駒大岩見沢(北北海道)―下関工(山口)戦で開幕する。

 【慶応9―6東海大相模】ハマの青空に塾歌が響き渡る。延長13回、4時間20分の死闘を制し、46年ぶりの夏切符。「みんなの勝利。こういう試合になると予想していたけど楽しんでできた。うれしいです」。慶応・上田監督は万感の思いで泥だらけのナインを見渡した。
 神奈川屈指の好カードとあって試合開始45分後には外野札止め。3万大観衆がかたずをのむ一戦は延長13回2死二塁から一気に動いた。2番・福富が東海大相模・大田から勝ち越しの右中間三塁打を放つと、続く山崎も高校通算22本目となる右越え2ラン。「大田の登板は予想していなかった。でも、投球練習を見たら直球しか投げてなかったから直球を狙った」と2人が口をそろえた。投げてはエース田村の後を受けた背番号3の只野が7回に勝ち越しを許したが、8回以降を無失点に抑え、追撃を許さなかった。
 今センバツでは田村、只野が好投しながら攻撃陣が援護できず、初戦で華陵(山口)に零敗を喫した。個々が目立とうとしてチームバッティングができなかったと反省した山崎主将は帰郷後、異例の2時間ミーティングを開き「チームに貢献する」ことの重要性を説いた。この日はセンバツ無安打の福富が7回の勝ち越し打に、決勝打とつなぎの打撃に徹し、只野は場内のブーイングに耐え、大田を2度敬遠した。
 決勝前夜は03年ワールドシリーズ、マーリンズ―ヤンキース戦をビデオ観戦。マーリンズがヤンキースを下し“ピンストライプを破る”イメージを目に焼き付けた。「良いイメージで臨めた」と福富。慶応らしいイメトレも効果てきめんだった。
 春の忘れ物を取りにいく準備は整った。「もう初出場みたいなもの。1勝を目指したい」と上田監督。半世紀の時を超えて今、陸の王者が再び夏の聖地にたどり着いた。

 ▼慶応(北神奈川)私立の男子校。アメリカンフットボールも強豪。

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2008年7月28日のニュース