井川実質戦力外も他球団のオファー待つ

[ 2008年7月28日 06:00 ]

 ヤンキースは26日(日本時間27日)、井川慶投手(29)をメジャー登録選手40人枠から外したと発表した。さらにブライアン・キャッシュマンGM(41)は井川をウエーバーにかけたが、他球団からの獲得オファーがなかったことも明かした。事実上の戦力外通告によりヤ軍でのメジャー再昇格はほぼ消滅。ただし、他球団へのトレード移籍は成立しやすい状況となり、マイナーで結果を残しながら球団の動きを待つことになる。

 ヤンキースがついに見切りをつけた。井川をメジャー40人枠から外したキャッシュマンGMは「決断が必要だった。故障者リストから上がってくる選手もいるし、戦力を考えて判断した」と説明。これまでの契約ではメジャーとマイナーを行き来できたが、今後、井川を再び昇格させるには、誰かを40人枠から外す必要がある。つまり事実上の戦力外通告と言える。
 2年目の今季はメジャー登板は2試合で防御率13・50。チェンバレンの先発転向やポンソンの獲得で先発枠に入り込む余地はなくなり、背番号29も、トレードで新加入したネイディに奪われてしまった。さらに同GMは、井川の保有権を放棄するウエーバーにかけていたことも明かし「獲得意思を示した球団はなかった」とした。
 だが、今回の措置は井川にしてみれば、移籍の道が開けたことを意味する。40人枠を外れ“マイナー選手”となったことで、相手球団は獲得のために40人枠を空ける必要がなくなり、31日のトレード期限後も球団は自由に交渉できる。ネックは11年まで支払われる年俸400万ドル(約4億3200万円)だけで、ヤ軍がある程度を肩代わりすればトレードが成立する可能性は高い。
 井川は「代理人(アーン・テレム氏)からは“他球団でプレーできるチャンスが広がった”と言われています。(日本に)戻る気は全くありません。メジャーリーガーとして引退したい夢は今も変わりない。これを乗り越えることで自分の夢を達成したい」と語った。この日の3Aロチェスター戦では6回6安打2失点(自責1)で10勝目を挙げた。今後もマイナーで好投を続け、他球団からのオファーを待つ。

続きを表示

2008年7月28日のニュース