松井秀　今季構想外…ヤンキース緊急補強

　ヤンキースは２５日（日本時間２６日）、パイレーツに若手４選手を放出し、エグゼビア・ネイディ外野手（２９）と左腕ダマソ・マルテ投手（３３）を獲得するトレードで合意した。身体検査の後、正式発表となる。左ひざ手術を回避した松井のリハビリを見守ることなく、打率・３３０のネイディの補強を決断したヤ軍。松井の今季中の実戦復帰は難しくなった。

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　７月３１日のトレード期限を前にヤ軍の動きは素早かった。この日パ軍がネイディと左腕マルテのトレードを発表。パ軍はメディカルチェックを行っていないとして相手球団名こそ公表しなかったが、米メディアは一斉にヤ軍との合意を報じた。

　キャッシュマンＧＭはレッドソックス戦後「まだ決まってないことを話すことはできない。パイレーツ側に聞いてくれ」と言葉を濁したが、ニューヨークの地元紙は早ければ２７日のレ軍戦にネイディが先発出場するとした。ヤ軍は２４日にフロリダ州タンパで首脳会談を行ったばかりだった。

　ネイディは左打者の多いヤ軍にとって貴重な右打者で、今季はナ・リーグ５位の打率・３３０をマーク。１３本塁打５７打点と長打力もあり、パ軍では主に５番を務めた。またメジャー屈指の強肩で右翼手として今季リーグトップの１０補殺を記録している。メジャー通算７年で左翼も５４試合の経験がある。マルテも左の中継ぎがいないヤ軍にとって大きな戦力だ。

　松井の今季中の戦列復帰も極めて厳しくなった。手術回避を決断した松井は２８日に打撃練習を再開する予定だが、球団はその過程を見ることなくトレードを成立させた。キャッシュマンＧＭはこの日あらためて「マツイは腫れが出た場合、手術となるだろう」と発言。順調にリハビリが進んだとしても、ネイディとデーモンが左翼とＤＨを分け合うことで、松井に入り込む余地はない。

　ネイディは０９年シーズン後のＦＡ取得で、デーモンも来年まで契約が残る。手術を受け万全な状態を整えたとしても、松井は来季のレギュラー争いで厳しい戦いを強いられることになる。