小田、昨夏の汚名返上V!横浜涙の甲子園

[ 2008年7月27日 06:00 ]

<横浜創学館・横浜>試合終了の瞬間、喜ぶ横浜・小田(左)土屋(左から2人目)ら横浜ナイン

 第90回全国高校野球選手権記念大会(8月2日開幕、甲子園)の地方大会は26日、全国7地区で決勝戦が行われ、南神奈川大会では横浜が8―2で横浜創学館を下し2年ぶり13度目の夏の甲子園出場を決めた。大会6日目(7日)の第3試合で浦和学院(南埼玉)と初対戦することが決まった。27日は東東京、北神奈川、南大阪で決勝戦が行われ、全55地区の代表が出そろう。

【高校野球


 【南神奈川・横浜8-2横浜創学館】春3度、夏2度の全国制覇を達成している名門・横浜が2年ぶり13度目の夏切符を手にした。エース・土屋が最後の打者を三ゴロに仕留めるとナインの目に涙があふれた。自身10度目の甲子園を決めた渡辺監督は「南北に分かれて出場が期待される中、選手が本当によく耐えてくれた。きょうは土屋と小田のバッテリーの勝利」とねぎらった。

 悪夢を振り払った。誰よりも優勝を喜んだのは強気のリードで土屋の持ち味を引き出した2年生捕手・小田だ。昨夏の神奈川大会準決勝・東海大相模戦。0―3で迎えた4回2死一、三塁の場面で打者を追い込んでからワンバウンドの球で空振りを奪ったが、アウトを確認せずベンチへ引き揚げ、その間に打者走者を含む3走者がホームイン。決定的な3点を奪われ、決勝進出を逃した。

 1年生捕手にとってはあまりにも重いミス。小田は静岡の実家に帰省後も自分を責め続けた。そんな時、指揮官から電話が入った。「やっちゃったことは仕方ない。また甲子園を目指そう」。名将の一言で再び気持ちを奮い立たせた。

 「センバツには出たけれど、夏のこの舞台で嫌な思い出を振り切りたかった」。この日も4回1死カウント2―2からハーフスイングを奪った場面があったが、体ごとタッチ。打っては5打数3安打1打点と活躍した。

 エース・土屋も困難を乗り越えた。5月下旬に右足中指を骨折し、大会中も発熱で体調を崩したが、この日も9安打を浴びながら要所を締め2失点完投。「仲間がエラーしても踏ん張れた。今までのきつい練習を思い出したら涙が出てしまった」と笑った。

 試合後の抽選で甲子園初戦の相手は浦和学院に決まった。昨秋以降の練習試合では4戦全勝と相性はいい。渡辺監督は「松坂たちのようにスターはいないが、浦学には何が何でも勝ってセンバツの悔しさ(初戦敗退)を晴らしたい」と力を込めた。悪夢を払しょくした横浜に、もう怖いものは何もない。

 ▼上地雄輔(横浜野球部OBのタレント、98年卒。当時松坂大輔とバッテリー組む)おめでとう!うれしいっすねえ。今年は特別目立った選手はいないといわれている中、チームワークでつかんだ甲子園。ウチの持ち前のつながりと粘りがありますね。甲子園でも全力プレーで日本中を沸かせてくれると確信しています。

 <横浜創学館 森田監督、師弟対決で苦杯>横浜OBの横浜創学館・森田監督が恩師・渡辺監督との対決に臨んだが、力の差を見せつけられた。準決勝までチーム打率・371と強打で勝ち抜き、この日も横浜のエース土屋から9安打。しかし森、鍛冶の投手2枚看板が打ち込まれた。「よく頑張ったが最後は投手の差」と指揮官。渡辺監督は「良いチームをつくってきたな」と教え子の成長に目を細めていた。

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2008年7月27日のニュース