八頭 平木の3安打完封で初勝利

[ 2008年3月25日 13:16 ]

八頭―宇都宮南 力投する八頭先発の平木=甲子園

 第80回センバツ高校野球第4日は25日、甲子園球場で2回戦が行われ、第2試合では初出場の八頭(鳥取)が22年ぶり出場の宇都宮南(栃木)を1-0で下し、3回戦に進出した。

 3安打完封の八頭・平木は正確な制球を武器に丹念に打たせて取り無四球と光る内容だった。打線は5回2死二塁から中谷の左前打で唯一の点を挙げた。
 宇都宮南の山井は右横手からの緩い球が効果的で6安打と踏ん張った。しかし打線は早打ちでの凡打が多く、9回1死二塁の同点機も後続が内野ゴロに倒れた。

 ≪魔法をかけた完封劇≫何か信じられないような数字だ。たったの79球で、散発の3安打に封じた。八頭のエース平木が、魔法をかけた。
 直球は130キロ台が数えるほどで、観衆をわかすような球速はない。だが、無四球と抜群の制球力が、宇都宮南打線を幻惑させた。時折投げる、人を食ったかのようなパームボールやカーブは実に効果的。鋭いスライダーでタイミングを外していき、9回1死二塁のピンチも、たやすく内野ゴロに打ち取った。
 スライダーを生かすために、胸元を突く球をどれだけ投げられるかが課題だった。投手板の一塁側ぎりぎりに立つことで、右打者のインコースへ、絶妙な直球を投げられるようになった。1960年の第32回大会で記録された大会最少投球数74に、あと5と迫る快投。「楽しめた。9回は追いつかれても、自分のせいじゃないと、開き直った。負けたら、鳥取に帰れないところだった」と白い歯を見せた。初出場での勝利に徳永監督は「平木はすばらしい。この舞台であんな投球ができるとは」と目を細めた。
 ≪唯一の四球を悔やむ≫7奪三振で1失点完投した宇都宮南の山井は「そんなに悪くなかった」と惜敗にもさばさばしていた。
 「当ててもいい、と割り切った」という内への直球にスライダーを織り交ぜて詰まらせ、連打を許さなかった。
 失点した5回は先頭を歩かせて、カウントを取りにいったスライダーを狙われた。この試合唯一の四球だっただけに「悔いが残る」と残念そうに話した。

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2008年3月25日のニュース