背番号70で王さん快、快、快幕4連勝

[ 2008年3月25日 06:00 ]

田上(左)はサヨナラ打を放ち、竹岡から手荒い祝福

 【ソフトバンク6―5ロッテ】神がかりだ!王ホークスが止まらない。ソフトバンクは24日、延長12回の死闘の末、ロッテに6―5でサヨナラ勝ち。背番号70の苦労人・田上秀則捕手(28)が10回の同点打に続く、殊勲打を放った。開幕4連勝はチーム3年ぶり。開幕4試合で3度のサヨナラ勝利は61年の大洋以来、史上2度目のことだ。次々に飛び出る日替わりヒーロー。今季を集大成と位置づける王監督が最高のスタートダッシュを切った。

【田上プロフィル


 ヤフードームがまたしても揺れた。開幕4試合で3度目となる歓喜の光景。二塁ベース付近でナインにもみくちゃにされたのは、1軍で最も背番号が大きい70番。開幕戦の柴原、2戦目の本間に続いたミラクル劇の主役は田上だった。
 「痛かったっすけど気持ちよかったですね。サヨナラヒットはプロに入って初めて。高校、大学を通じても記憶にありません」。どでかい仕事をやってのけた“恐怖の8番打者”の声が弾む。
 5―5の延長12回2死二塁。今季初の引き分け目前の状況で、ロッテの5番手・小宮山の2球目を叩いた打球は、前進守備のサブローの頭上を越えた。まさに独り舞台。2回に先制二塁打を放つと、1点を追う10回1死二、三塁でも起死回生の同点打を右前に運んだ。サヨナラ打と合わせて、3安打3打点と驚異的な勝負強さを発揮した。
 耐えていた。開幕戦から山崎、的山、山崎と先発マスクはなかなか巡ってこなかった。田上は「代打でも守備でも行ける準備はしておこうと思った」と言うが、06年オフの内野手転向のプランも、秋季キャンプに不参加で治療に専念し、本職に復帰したほど、捕手へのこだわりは強い。
 「田上は2ケタ(本塁打を)打つ力はある」とその長打力を買う王監督からは、開幕前から毎日のようにマンツーマン指導を受けた。「上げた足を地面に着けるのと同時にバットを振れ」。呪(じゅ)文のように繰り返される言葉を自分なりに取り入れ、復習した結果が、この日のお立ち台だった。
 本人は「盗塁も刺していないし、渚(新垣)も(リードで)助けられなかった」と反省も口に下が「一番いい働きをしたよね。あの場面(2死二塁、次は城所)で勝負してくるとは思わなかった」。王監督は文句なしのMVPだと称えた。
 開幕4試合で3度のサヨナラ勝ちは、王監督がプロ入り3年目だった61年に大洋が演じて以来、47年ぶり史上2度目の快挙となる。残る1勝もルーキー大場の初登板無四球完封勝利。今季の王ホークスはどこまでもドラマチックだ。

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2008年3月25日のニュース