13K!甲子園には「斎藤」が似合う

[ 2008年3月25日 06:00 ]

1回表、千葉経大付の斎藤は会心の投球に吠える

 【千葉経大付3―0興譲館】千葉の怪腕が奪三振&完封ショーを披露した。第80回センバツ高校野球第3日は24日、甲子園球場で2回戦3試合が行われ、第2試合の千葉経大付(千葉)のエース斎藤圭祐(3年)は7安打を浴びながら、最速144キロの直球を軸に13三振を奪う快投で完封勝利。チームを3回戦へと導いた。また、大会史上3校目の連覇を狙う常葉学園菊川(静岡)、春夏通じて初出場の長野日大(長野)も初戦を突破した。25日は2回戦3試合が行われる。

【センバツ結果


 最後の打者をこん身の直球で三ゴロに打ち取ると、斎藤は淡々と整列に加わった。もう弱気なオレじゃない。そんな思いを155球に込めた。奪った三振は自己最多の13で7安打完封勝利だ。
 「抑えられてうれしい。三振は狙っていなかった。13個も取ったなんてびっくりです」。マウンド上のポーカーフェースがお立ち台で緩んだ。
 前半から飛ばした。初回に自己最速の144キロをマークすると5回まで被安打1の10奪三振。今年1月、松本監督から教わったツーシームにスライダーも効果的に決まった。球速が落ちてきた中盤以降も強気に攻めた。6回2死一、三塁、7回2死二、三塁はいずれも直球で三振を奪った。「秋と比べて直球の伸びが全然違った」とは女房役の谷。ベンチで見守った指揮官も「よく踏ん張った。精神的に安定しているし、直球が走っていた」と目を細めた。
 エース丸(広島)を擁した昨年センバツは背番号10でベンチ入り。2回戦の熊本工(熊本)戦でわずか1球、1/3回だけの“敗戦処理”。新チームでエースナンバーを背負い自覚が生まれた。冬場は走り込み中心に徹底的に下半身をいじめた。ユニホームのズボンのサイズがXOからXXOになるほど鍛え上げた下半身は粘りが生まれた。マウンドで踏み出す歩幅は6足から7足分まで広がり球持ちもよくなった。
 1メートル84の堂々の体格ながら、以前は寮で1人でトイレにも行けないほど小心だったが、そんな面影はもうどこにもない。
 「きょうはピンチでも強気に行けた。ことしはエースとして甲子園に来た。全試合完封したい」。斎藤が何倍にも大きくなって、甲子園に帰ってきた。

 ◆斎藤 圭祐(さいとう・けいすけ)1990年(平2)9月24日、千葉生まれの17歳。小2からソフトボールを始める。大原中では軟式野球部で千葉県大会8強。昨春は一塁手で甲子園出場。新チームから背番号1を背負い関東大会8強入り。家族は両親、妹2人。1メートル84、84キロ。右投げ右打ち。

 <岡山・興譲館 妹尾“魔の4回”>公式戦初先発の背番号11、妹尾が4回に突如崩れた。無死から稲葉に浴びた二塁打に左腕は「打たれたことで慎重になりすぎた」。直後の四球で傷口を広げ、3点を失った。相手に左の好打者が多かったことから小谷監督が大舞台で抜てき。今大会限りで勇退する指揮官は「よく投げてくれた」と6回3失点の力投を褒めた。

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2008年3月25日のニュース