高橋 ジャンプミスも逆転圏内2位

[ 2009年11月22日 06:00 ]

男子SPで2位につけた高橋大輔の演技

 フィギュアスケートGPシリーズ第6戦スケートカナダ第1日は20日、カナダ・キッチナーのキッチナー記念総合会館で男女ショートプログラム(SP)が行われ、男子で高橋大輔(23=関大大学院)はジャンプのミスがありながら、76・30点で2位につけた。首位のジェレミー・アボット(24=米国)とは2・70点差の逆転圏内で、今大会2位以内で自力進出が決まるGPファイナル(12月3日開幕、東京)が見えてきた。また、女子では第3戦・中国杯を制した鈴木明子(24=邦和スポーツランド)が、53・10点の8位と出遅れた。

 演技直後に浮かべた笑みが、得点が表示された瞬間、少しだけ陰った。冒頭の3―3回転のコンビネーションの2つ目のジャンプが回転不足と判定された高橋は、得意のステップでも取りこぼした。技術点が伸びず、GP復帰戦だった2週前のNHK杯の78・18点を下回る76・30点。「点数が出なかった」と悔しそうに振り返ったものの、2位発進には「上にいる方が安心して次に臨める」と手応えを口にした。
 強敵は他のスケーターだけではなかった。17日に現地入りして調整を続けたが、時差ぼけとの闘いが続いた。「きょうの練習も頭が集中しきれていなかった」。万全のコンディションからは程遠かったが、表現力が問われる5項目の演技点では、要素のつなぎ以外の4項目で7点台後半をそろえた。12選手中2位の得点をマークしてジャンプのミスをカバーし、指導する長光コーチも「どんな状態でも最低ラインはこれくらい、というのが見えた。一つ一つが収穫になっている」と評価した。
 4位に沈んだNHK杯後は「厳しいかなと思ってる」と、GPファイナル進出へあきらめムードだったが、今大会2位以内に入れば自力での出場が決定する。SPで好位置につけ、五輪前哨戦となる大舞台がどうにか見えてきた。4回転ジャンプを組み込む21日(日本時間22日)のフリーは、「予測不能」と言うスタミナが試される。昨年10月の右ひざ故障からの復帰後、約4分30秒のフリーではスタミナが尽きて本来の滑りはできていないが「観客を盛り上げる演技ができればいい」と気合十分。世界の強豪との争いを経験するためにも、ファイナル切符は絶対に譲れない。

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2009年11月22日のニュース