遼くんに賞金王争いの重圧…イライラ20位

[ 2009年11月22日 06:00 ]

<ダンロップフェニックストーナメント・3日目>14番、3打目、石川遼はアプローチショットが上手くいかずクラブを叩きつけそうになるが堪える

 男子ゴルフツアーのダンロップ・フェニックス第3日は21日、宮崎県宮崎市のフェニックスCC(7010ヤード、パー71)で行われ、賞金ランク1位の石川遼(18=パナソニック)が賞金王争いの重圧に押しつぶされた。ボギーが先行し、波に乗れないまま71でホールアウトし、通算1アンダーの20位にとどまった。同ランク2位の池田勇太(23=フリー)は通算6オーバーの56位、同ランク3位の片山晋呉(36=神奈川クリニック)も通算3アンダーで12位に後退した。首位は通算8アンダーのエドアルド・モリナリ(28=イタリア)で、久保谷健一(38=フリー)が1打差の2位につけた。

【第3R成績】

 賞金王争いの重圧が、ズシリと両肩にのしかかった。3日目でのチャージを誓った石川だったが、ラウンドでは自分をコントロールできずにもがいた。3番でボギーを叩いた後の4番パー5。第1打を左に大きく曲げると、第2打はフェアウエーに出すだけ。3オンを狙った第3打をまたも左に曲げた後、思わず3Wを放り投げた。イライラを募らせたままの第4打はグリーンをオーバーして連続ボギー。上位進出はいきなり遠のいた。
 「練習では目指すスイングができるのに、コースに出ると真っすぐ飛ばしたいとか、バーディーを取りたいという思いが強くなる。ゆっくり足を動かせば進んでいくのに、焦っておぼれているようなゴルフになった」
 言葉通り、まさにアップアップの状態。生命線のドライバーを振り切れずに、インパクトを合わせに行った心のぶれがそのまま弾道に出た。
 賞金ランク1位は「今の自分のモチベーション」と言うものの、2位の池田との差は約550万円しかない。賞金レースを有利に進めるため第3日の目標を「通算5アンダー」と設定して、逆に自分を追いつめてしまった。12、13番で連続バーディーを奪った後も悪い流れを断ち切れない。ボギーを叩いた14番パー4ではグリーン左からの第3打をピンに寄せられず、今度はSWを叩きつけようとするしぐさも見せた。
 やっと笑顔が出たのは最終18番パー5。左バンカーからの第2打はアゴに当たって出るだけだったが、残り248ヤードの第3打を7メートルに寄せて、バーディーパットをねじ込んだ。過去ダンロップ・フェニックスでは84年のS・シンプソンが7打差を逆転したのが最大。石川も同じ7打差に踏みとどまった。「今まで3日目で焦ることなんてなかった。あしたこそ思い切ってやりたい」。18歳に押し寄せてきたプレッシャー。大逆転の再現も、その先の賞金王も、まずは自分との闘いに勝たないことには始まらない。

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2009年11月22日のニュース