女子にも新星!村上 床でG難度の大技決める

[ 2009年11月22日 06:00 ]

得意の床運動を演技する村上茉愛

 体操の全日本団体・種目別選手権第2日は21日、東京・国立代々木競技場で男女団体総合が行われ、女子では創設9年目で初出場の池谷幸雄体操倶楽部が5位に入る健闘を見せた。1メートル26の13歳、村上茉愛=まい=(東京・武蔵野東中1年)が全種目に出場し、床運動でG難度の大技「シリバス(後方2回宙返り2回ひねり)」を決めるなど大活躍した。優勝は鶴見虹子(17)を擁する朝日生命クで、4年連続24度目。男子はコナミが初優勝を飾った。22日には男女種目別決勝が行われる。

 小さな中学生が全日本選手権デビューで“大技”を決めた。1メートル26で「小学1年生と間違えられたこともある」という村上が、床運動で最上級難度となるG難度の「シリバス」を成功。技の正確性や表現力が問われるEスコアこそ伸びなかったが、全体3位となる13・900点を叩き出し「想像しただけで緊張するような大きな大会だったけど、今までやってきたことをできた」と初々しい笑顔を見せた。
 大会の参加資格は13歳以上とギリギリながら全4種目に出場。計53・450点を一人でマークして、池谷幸雄体操倶楽部の5位躍進の原動力となった。指導する大野和邦コーチが「筋力の反応が格段に速い。五輪で金メダルを獲得させたい」とほれ込む逸材。大技「シリバス」の練習は小5から始めて約3年でマスターし、これまでにジュニアの5大会で試して成功率は100%と抜群の完成度を誇る。今年5月の全日本ジュニア選手権の種目別床運動では、10月の世界選手権個人総合で銀メダルに輝いたエース鶴見と同点優勝を飾った。
 鶴見を「一番の目標」と尊敬する村上の夢は、もちろん「五輪に行くこと」。五輪で4つのメダルを獲得し、同倶楽部で社長と総監督を務める池谷幸雄氏も「やっと全日本に出られるレベルにまで到達した。ロンドン五輪も夢じゃない」と目を輝かせた。22日には種目別決勝で床運動と平均台に出場。「背がやっと伸びてきた。体重は27キロしかないので、ご飯を1食で2杯食べるようにしている」とはにかむスーパー中学生が、大きな夢へまい進する。

 ◆村上 茉愛(むらかみ・まい)1996年(平8)8月5日、神奈川県相模原市生まれの13歳。東京・武蔵野東中1年。4歳から池谷幸雄体操倶楽部で本格的に体操を始める。今年の全日本ジュニア選手権の種目別床運動で優勝、個人総合は4位。得意種目は床と平均台。好きな食べ物はオムライスで、嫌いな食べ物はシシャモ。1メートル26、27キロ。

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2009年11月22日のニュース